研究課題/領域番号 |
26462105
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
犬塚 和徳 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (00397415)
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研究分担者 |
海野 直樹 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (20291958)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 血管外科 / 腹部大動脈瘤 / 血管新生 / リンパ管 / WRI / PET / 刷り応力 |
研究実績の概要 |
【AAA壁における血管新生、リンパ管新生についての検討】凍結保存標本の検討:人工血管置換術を施行した腹部大動脈瘤(AAA)症例の切除瘤壁を10症例を凍結保存した。これらの標本を用いて、壁の血管新生、リンパ管新生について以下の項目を検討中である。血管新生、リンパ管新生ともに血管内皮細胞標識抗体(CD31)、リンパ管内皮標識抗体(podoplanin)を用いて、免疫組織学的検討を行うとともに、更に新生因子であるVEGFR-1、VEGFR-2、BEGFR3、VEGF-A、VEGF-Cの染色とRT-PCRを行い、新生が活発に起きている部位(内膜、中膜)、そこへの炎症細胞の浸潤について検討している。 【AAA患者におけるMRI 4D-flow解析とPET-CT撮影】手術前のAAA患者に対してインフォームドコンセントを得た後、書式による同意書を得て、MRI 4D-flow解析とPET-CT scanを実施している。AAA症例数例に術前 MRI画像の4D-flow処理を試み、血流のベクトル解析、刷り応力値測定が可能であることを確かめた。術前のAAA症例全例で血流力学的な解析を行い、コントロール群と比較して壁の刷り応力がどのように異なるかを検討している。 【AAA患者における開腹人工血管置換術の際の術中リンパ管造影検査の実施】リンパ停滞の有無を確認:大動脈瘤壁における実際的なリンパ還流状態を調べるため、手術開始と同時に両側鼠蹊部にインドシアニングリーン(ICG)蛍光試薬を皮下注射し、術中に近赤外線カメラPDEにて術屋を観察した。後腹膜の大動脈壁そのものにリンパの停滞を示す症例があることがわかった。リンパ停滞部位を確認:ICG蛍光リンパ管造影を施行した患者のAAA組織標本を蛍光顕微鏡で観察し、リンパが大動脈壁のどの層(内膜、中膜、外膜)で停滞しているかの評価を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例数、検体数が予定よりやや少ないが、進捗状況に大きな遅れはない。 データ収集の段階であり、データ解析から検討に至る過程が今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
測定手技も確立されていること、設備も大学内の機器で行えることから、さしあたり研究を継続できる体勢にある。また研究組織として、現在、3人の大学生が在籍し、彼らを指導しながら本研究を行う予定である。 データ収集の段階であるが、今後データ解析を平行して行っていく予定である。
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