腹部大動脈瘤の発症・進展におけるVasohibin-1の果たす役割について検討を行った。我々はオスのVasohibin-1ヘテロノックアウトマウスに対してアンジオテンシンII(1,000ng/kg/min)を4週間持続投与し、腹部大動脈瘤への影響を検討した。当初の予定に反して、Vasohibin-1ヘテロノックアウトマウスでは腹部大動脈瘤の発症が野生型と変わらなかった。組織中の各種プロテアーゼなどのタンパクやその活性のレベルも検討したが、両群間で差を認めなかった。Vasohibin-1は腹部大動脈瘤の発症・進展に対して大きな影響を与えない可能性が示唆された。
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