我々はこれまでに、各種成長因子を分泌するマウス末梢血単核球と皮膚の基質供給源となるマウス線維芽細胞から構成されるマウス細胞混合シートを作製し、難治性皮膚潰瘍に対する有効性を確認している。今回、臨床応用に向けて、ヒト末梢血単核球とヒト線維芽細胞から構成されるヒト細胞混合シートの機能評価を行ったところ、末梢血単核球と線維芽細胞から構成される細胞混合シートから分泌されるVEGF量は、線維芽細胞シートから分泌されるVEGF量と比較して約2倍に増加していることが明らかになった。さらに、2% 酸素環境下で培養した末梢血単核球と線維芽細胞から構成される細胞混合シートから分泌されるVEGF量は、20% 酸素環境下で培養した細胞混合シートから分泌されるVEGF量と比較して、約2倍に増加していることが明らかになった。これらの結果から、ヒト細胞混合シートにおいて、末梢血単核球と線維芽細胞との細胞混合および低酸素環境下での培養は、VEGF産生能を亢進させることが明らかになった。
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