研究課題/領域番号 |
26462110
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高橋 雅弥 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60634730)
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研究分担者 |
細山 徹 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20638803)
李 桃生 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 虚血耐性 |
研究実績の概要 |
遠隔臓器における虚血プレコンディショニングには2相性(Early Phase、Late Phase)があり、我々のグループは、Late Phaseにおける心筋の虚血耐性に、骨髄由来幹細胞の動員と集積が関与していることを報告してきた。本研究は脊髄の虚血耐性に、遠隔臓器における虚血プレコンディショニングが有効であるか、そして、骨髄由来幹細胞が関与するかを調べるものである。今年度はIRBに提出する書類に必要となる動物実験を行った。C57BL/6マウスの下肢に対して虚血プレコンディショニングを実施した後に、脊髄虚血を誘導して48時間後の血中の様々な炎症性サイトカインを測定したところ、虚血プレコンディショニングを実施した群では、実施しなかった群に対して、TNF-alphaが約20%減少したことから、虚血プレコンディショニングは炎症を抑える効果があることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は学内のIRBに提出する書類に必要となる動物実験データを集め、書類申請の準備を行っていたために、当初の予定より臨床研究の開始予定が遅れている。また、IRBの委員から臨床試験のプロトコルに対して指摘された箇所があり、当初予定していたプロトコルから変更して、臨床試験を実施する可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
臨床試験において、虚血プレコンディショニングは大腿に血圧測定Cuffを巻くことで実施することにしていたが、血管の状態が悪い患者に対して下肢の血管に負荷をかけることに対してリスクが高いのではないかと、IRBの委員から指摘を受けたために、虚血プレコンディショニングは大腿ではなく、上腕に血圧測定Cuffを巻くことで実施する計画に変更する可能がある。また、健常人に対して、虚血プレコンディショニングの前後で骨髄由来幹細胞の動員に変化があるかをFACSで解析予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床試験実施が当初の開始予定より遅れているために、虚血プレコンディショニングの前後でFACSにより測定する骨髄由来幹細胞に対する抗体の購入を行わなかったために、その抗体の購入費用が次年度使用額として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
ヒト骨髄由来幹細胞に対する抗体の購入に次年度使用額を使う計画である。
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