• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

遠隔臓器虚血プレコンディショニングによる脊髄虚血耐性効果の臨床的検討

研究課題

研究課題/領域番号 26462110
研究機関山口大学

研究代表者

高橋 雅弥  山口大学, 医学部附属病院, 助教 (60634730)

研究分担者 細山 徹  山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20638803)
李 桃生  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 教授 (50379997)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード虚血プレコンディショニング法 / CD34陽性骨髄細胞
研究実績の概要

短時間の虚血と再灌流を数回実施する虚血プレコンディショニング法は、臓器保護効果があることが報告されている。虚血プレコンディショニング法を実施すると、その後の長時間の臓器虚血における組織の損傷が、何もしない状態から長時間の臓器虚血を行った時よりも、組織の損傷が軽減されることが報告されているが、そのメカニズムは完全には解明されていない。我々の研究グループはこれまでに、虚血プレコンディショニング法を行うと、末梢血中でCD34陽性骨髄細胞の割合が増加することを報告してきた。本年度、我々はCD34陽性骨髄細胞が生産する虚血状態から臓器保護作用を持つ因子の発現レベルを比較検討した。C57BL/6マウスの大腿骨から骨髄細胞を採取し、抗CD34抗体を用いて骨髄細胞の中でCD34陽性細胞の数を、フローサイトメトリーで確認すると、骨髄細胞の中で約11%の細胞がCD34陽性であった。次に、抗CD34抗体を用いて、CD34陽性骨髄細胞とCD34陰性骨髄細胞に分離し、total RNAを抽出し、cDNAを作製し、これまでに報告されている虚血状態から臓器保護作用を持つ因子8個の遺伝子のmRNAの発現をリアルタイムPCRで確認した。CD34陰性骨髄細胞と比較して、CD34陽性骨髄細胞の発現レベルが高いのは、GDF15が約45倍、Dkk1が約30倍、IL10とFGF9がそれぞれ約12倍であったことから、CD34陽性骨髄細胞は、虚血状態に対して臓器保護作用を持つ因子を生産している可能性が示唆された。今後は臨床試験において、健常人に対して虚血プレコンディショニング法を実施する前後で、末梢血中のCD34陽性細胞の割合が変化するかを、フローサイトメトリー等で確認する計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

臨床試験を実施するために、本学の臨床研究センターに書類を提出し、審査を受けていたが、該当年度の年度末に我々が提出した臨床試験が承認された為に、臨床試験実施までには至っていないが、現在、臨床試験を実施するために、被験者をリクルートしている段階である。

今後の研究の推進方策

今後は臨床試験として、健常人に対して虚血プレコンディショニング法を実施し、虚血プレコンディショニング法の前後で、末梢血中のCD34陽性細胞の割合に変化があるかを検証する。また、虚血プレコンディショニング法の前後で、血液中のサイトカイン等を測定することで、抗炎症作用を有するサイトカインや血管新生作用を持つ因子がどのように変化するか観察する。

次年度使用額が生じた理由

予定していた臨床試験の実施が遅れたため、未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

臨床試験において必要となる抗体とELISAキットの購入に使用する。

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi