重症下肢虚血に対する細胞移植療法における有効性と安全性に疑いの余地はない。しかし現状、高い治療効果が得られているとは言い難く更なる改良が必要とされる。本研究では、低酸素暴露により機能賦活化した末梢血単核球移植による新生血管誘導に加えて、血管成熟化因子アペリンを投与するハイブリッド治療法の有用性を検証した。検証の結果、低酸素暴露し機能賦活化したマウス末梢血単核球の移植と同時にアペリンを投与することで、虚血下肢において単核球により誘導された新生血管がアペリンによって成熟化することが明らかとなった。本治療法は、比較的低侵襲な新たな治療法として、今後、重症下肢虚血治療に用いられると期待される。
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