研究課題
本研究の目的は致死率の高い解離性大動脈瘤および真性大動脈瘤について、その発生原因を、遺伝子やプロテオミクスの関係から明らかにし、予防、早期診断、外科治療を含む治療に発展させることを目指している。これにより、大動脈瘤に対する系統的治療体系を確立し、国民の健康維持に貢献することを期待しているものである。横浜市立大学付属病院および横浜市立大学付属市民総合医療センターで手術を施行された大動脈瘤症例の内、書面で同意が得られた症例の血液および動脈瘤壁を倦怠として採取する。これらの検体を用いて、動脈瘤壁および正常大動脈壁におけるプロテオミクス解析を行い、動脈瘤発生の機序の解析、発生や進行に関与する因子の決定を行い、有用なバイオマーカー検索と創薬につなげることを第一の目的とした。現在までに、本研究から絞り込まれた動脈硬化性疾患を検出するバイオマーカー候補タンパクの同定に成功し、特許申請中である。また、動脈壁性状に関する派生的研究として動脈管組織に関する研究もおこない、動脈管閉鎖の機序を明らかにした。また、大動脈瘤症例において関連が示唆される遺伝性疾患の責任遺伝子を網羅的したリシーケンスアレーを用いて責任関連遺伝子を迅速かつ効率的にスクリーニングし、遺伝子機能や家系解析等からその病的異議を明らかにすることも目的とし、以前の研究で得られた知見を元に解析を進めているが、残念ながら、前回の報告以上の新たな知見を得るところまでは到達できなかった。治療体系の確立の一環として、病態の解明と外科的治療を主体とした各種治療法の有用性について検討することを臨床的目標とした。現在までに、大動脈解離の分枝解離の臨床的意義の解明、virtual angiographyの有用性、臓器保護法、手術手技の改良、ステントグラフト挿入法の検討などについて報告することができた。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)
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