研究課題/領域番号 |
26462118
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
荻野 均 東京医科大学, 医学部, 教授 (60393237)
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研究分担者 |
湊谷 謙司 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, その他部局等, その他 (20393241)
安藤 太三 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (70340247) [辞退]
中西 宣文 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, その他部局等, その他 (80164234)
高木 靖 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80324432)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / 肺動脈内膜摘除術 / 肺動脈バルーン拡張術 |
研究実績の概要 |
慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)に対する診療実績に関しては,2015年1月から2015年12月に一年間で,肺動脈内膜摘除術(PEA)は,東京医科大学12例(死亡なし),藤田保健衛生大学(大雄会病院)17例(死亡なし),国立循環器病研究センター10例(死亡なし),計39例が施行され,死亡例はなく,全例において程度の差はあるが肺高血圧症(PH)の改善が認められ,良好な成績が得られた.この症例数は全国PEA総数(通常,年50~60例,2013年は62例が平均総数)の半数以上に相当している.2014年1月から2014年12月までのPEA症例30例を合わせ,総登録対象症例は計69例となった.一方,PEAに拮抗する治療として肺動脈バルーン拡張術(BPA)があり、その適応に関してしばしば問題となっており,今回の比較検討の対照としたが.昨年一年間に国立循環器病研究センター40例(BPAセッション数:200回),東京医科大学6例(PEA術後症例5例)に施行.共に死亡例を認めず,良好な成績(PHの軽快と症状,QOLの改善)を得ている.一昨年の一年間のBPA(全て国循症例)43例と合わせ,計83例となった. 症例登録と共に,2015年1月~12月の間に本研究に付随する以下の研究発表を行い,一部は論文作成中である.①慢性血栓塞栓性肺高血圧症を発症した精神疾患症例の検討,② 術後心肺補助を要した慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症の検討,③動静脈に同時に血栓症を来した抗リン脂質抗体症候群の一例,④月経過多を伴った慢性血栓塞栓性肺高血圧症と大動脈二尖弁の一例. また,本年度は,PEAとBPAの併用(東京医大),PEAの遠隔成績(国循)などの発表が予定されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当研究のレジストリに関するデータベースに関しては,国際CTEPH協会(ICA)によるBPAを含めた詳細なレジストリの原案があり,本研究においてもそれに合致した本邦版のデータベースを新たに作成し,現在,症例登録の段階にある.ただ,本研究期間において,前向き登録の症例だけでは遠隔成績を含め詳細な検討が困難と判断し,3施設における後ろ向き研究を追加し,CTEPHにおける診療の実際を検討している.
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今後の研究の推進方策 |
CTEPH治療の主要施設である3施設(うち2施設は,PEAとBPAの両治療法を実施)が共同で本疾患に対する治療を積極的に行うと同時に,本レジストリ研究における患者登録を推進し,日本肺高血圧・肺循環学会と共に,全国規模のレジストリに発展させる予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
登録のための雑費,会議の開催,研究補助の人件費などが必要です.
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次年度使用額の使用計画 |
登録のための雑費,会議の開催,研究補助の人件費,など
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