研究課題/領域番号 |
26462120
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
星川 康 東北大学, 大学病院, 講師 (90333814)
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研究分担者 |
松田 安史 東北大学, 大学病院, 助教 (00455833)
近藤 丘 東北薬科大学, 大学病院, 病院長 (10195901) [辞退]
野田 雅史 東北大学, 大学病院, 講師 (70400356)
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90323104)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肺移植 / 虚血再灌流肺障害 / 肺胞水分クリアランス / Nrf2 / oltipraz / 肺コンプライアンス |
研究実績の概要 |
ラット肺移植モデルを用い、肺移植24時間後の肺胞水分クリアランスの変化とNrf2活性化剤oltiprazの効果を検討したところ、vehicle投与ラットをドナーとした場合は、肺胞水分クリアランスの約45%の低下を認め、oltipraz 500mg/kg胃内投与後24時間のラットをドナーとした場合は、その低下を認めなかった。本モデルではドナー肺の灌流・冷保存を施行しなかったため、より臨床肺移植に近いドナー肺灌流・6時間冷保存を行ったところ、移植24時間後にはむしろ肺胞水分クリアランスの上昇を認めた。肺病理組織所見は、散在性に炎症細胞浸潤、肺胞出血、肺胞壁肥厚、perivascular cuffingなどの肺障害・肺水腫所見を認め、肺コンプライアンスは対照ラットに比し有意に低値となった。摘出24時間前にドナーラットにoltipraz 500mg/kgを胃内投与しても肺組織所見、肺コンプライアンスの改善を認めなかった。一方レシピエントラットに、肺移植術6時間前にoltipraz 500mg/kgを胃内投与すると、肺コンプライアンスの明らかな低下抑制と肺病理組織所見の改善傾向を認めた。 Nrf2欠損ラットが、提供元でウイルス感染したため、クリーニング作業を行った。クリーニング後感染スクリーニングを行い、当施設動物実験施設に搬入。繁殖作業を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
Nrf2欠損ラットの提供元でのウイルス感染のため、供与手続きが大幅に遅れた。具体的には提供元でのクリーニング作業に数ヶ月を要した。3月4日当施設動物実験棟にクリーニング後のラットが供与され、繁殖を開始した。雌ラットの妊娠が確認されている。
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今後の研究の推進方策 |
Nrf2欠損ラットの繁殖作業を進め、実験に適した週齢に達した時点で移植実験を開始する予定である。この間、野生型ラットとNrf2活性化剤を用いた実験で、肺障害を評価する傍証としての病理組織的評価、気管支肺胞洗浄液の解析などを進め、手技向上とデータ集積をはかる。ヒト病理検体を用いた実験に関しては、現在倫理申請中である。承認され次第肺移植時の検体採取を開始し、Nrf2関連因子の発現解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
Nrf2欠損ラットのウイルス感染のため譲渡手続き、繁殖作業開始が遅れたため。
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次年度使用額の使用計画 |
Nrf2欠損ラットの飼育、繁殖、ジェノタイピングに当該予算を使用する計画である。
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