研究課題
マルチプレックスバイオマーカー解析に関し、Real-Time Polymerase Chain Reaction (RT-PCR)とHigh Resolution Melting (HRM) 法を用いた、安価かつ簡便なバイオマーカー診断についての研究成果を報告してきた。このうち、FGFR1・MDM2・c-met・c-mycの各遺伝子に対する遺伝子増幅に関しては、PCRによる解析結果は得られているものの、コピー数多型解析の際に用いる二倍体コントロール遺伝子RNasePに対する比のカットオフ値(これまでの報告から、ratio=1が二倍体であり、ratio 3.0を陽性カットオフと設定している)の妥当性を検証するため、ゴールドスタンダードである蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(FISH)を行う必要があると考えた。上記RT-PCRにて遺伝子増幅が検出された症例を対象に、EBUS-TBNA検体パラフィン包埋切片を用いてFISH解析による対象遺伝子の増幅を検証した。RT-PCRにて遺伝子増幅が検出された検体は、FGFR1 4検体、c-myc 2検体、MDM2 5検体であった。このうちFGFR1 1検体、c-myc 2検体、MDM2 4検体のEBUS-TBNAパラフィン包埋切片がFISH解析へ利用可能であった。FISH解析からは、FGFR1については遺伝子増幅シグナルを認め、PCRの結果が確認されたものの、c-mycおよびMDM2はいずれもシグナル不良で観察不能であり、遺伝子増幅の確認は不可能であった。ただし、FISH解析においては、検体保存の影響やプローブの問題である可能性もあり、遺伝子増幅が確認されなかったものについても直ちにPCRの結果を否定するものではなく、今後もPCRによる遺伝子増幅の検出及びFISHによる結果の確認を引き続き行う予定である。
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