外因性ヒストンを直接静脈投与することで、肺障害を生じる動物モデルを今回確立した。ヒストン関連肺障害を生じたドナー肺を摘出し、同系ラットに移植し、移植後肺障害、とくに血管内皮障害、微小循環障害の観点から検討した。ヒストン関連肺障害に関しては炎症マーカー(CXCL-1など)や低酸素障害マーカー(HIF-1,2など)で評価した。ヒストン投与後、移植早期の段階で(1時間程度)非常に強い組織障害と血管抵抗増大が起こっていることを観察し得た。微小循環改善に重要な因子であるトロンボモジュリンを投与したところ抗炎症効果より線溶系活性により働くことが示唆された。
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