パッセンジャー変異を主とする腫瘍特異的遺伝子変異に由来する固有抗原を予測するシステムを構築した。まず肺癌6例のエクソームデータに対して、複数のソフトウェアを用いてミスセンス変異を検出するアルゴリズムを構築した。続いて、腫瘍特異的変異に対してMHC結合予測プログラムを用いて15例の肺癌患者の固有抗原を予測した。固有抗原候補の大半は、患者間で共有される頻度の高い変異由来でなく、個々の患者で異なるパッセンジャー変異に由来するものであることが確認された。そして、エクソームとトランスクリプトームデータを組み合わせることで、発現した変異mRNAに由来するn固有抗原候補に効率的に絞り込む手法を確立した。
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