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2014 年度 実施状況報告書

肺癌におけるErbBfamily受容体からのEMT活性化シグナル標的分子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 26462125
研究機関京都大学

研究代表者

毛受 暁史  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30527081)

研究分担者 園部 誠  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00432378)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードアダプター分子 / EGFR / GEP100
研究実績の概要

平成26年度は、EGF刺激によるGEP100-Arf6活性化を介した癌の浸潤転移能促進経路の詳細なメカニズムを解明する上で、重要な構成分子メカニズムの発見を目標に以下の成果を得ることができた。
1.アダプター分子Grb2のEGFRとGEP100の結合促進に与える影響
我々は、Grb2がGEP100と結合することを293T細胞の抗GEP100抗体による免疫沈降実験により確認した。この結合は活性化したEGFRやEGF刺激とは関係なく起こることもわかった。またA549肺癌細胞にてGrb2を過剰発現させた細胞溶解液を用いて、抗GEP100抗体で免疫沈降実験を行った。Grb2の発現量に応じて、EGF刺激を受けた活性化EGFRとGEP100との結合量が増加し、Arf6もより活性化することが示された。GEP100やGrb2の変異型やトランケートしたベクターを用いることで、GEP100とGrb2の結合がGEP100のPHドメインとGrb2のN末SH3およびSH2ドメインを介して行われることが判明した。
2.網羅的結合分子の探索
SILAC法を用いたmass spectromyによる解析を行った。A549、MDA-MB-231細胞を安定同位体アミノ酸を含むもしくは含まない培養液で2週間培養し、EGF刺激を行ったものとスターブしたものを別々に細胞溶解液とし、混合して抗GEP100抗体で免疫沈降を行った。EGF刺激に応じたGEP100結合分子のみがより特異的に検出されると考えた。複数回の解析を行った結果、全てで検出された分子がHsp90betaとABCF1 transporterであった。Hsp90betaは、再構成系による免疫沈降実験でGEP100のPHドメインと結合する可能性が高いことが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

EGF刺激に応じてEGFRとGEP100が結合して、EMTに重要なArf6の活性化を促進する機序の解明において、Grb2がこの二分子の結合を増強することを見出した。現在、学会発表および論文投稿準備中である。また、その他の分子の結合による影響や細胞内環境による結合能の変化については、今後の検討課題である。

今後の研究の推進方策

平成27年度には、EGFRとGEP100、Grb2の3分子複合体について解析をすすめ、学会や論文で発表する。臨床検体によるこれら3分子複合体の重要性を確認したいと考えている。また海外との共同研究を行い、Grb2によるGEP100のallostericな変化によるPHドメインとチロシンリン酸化キナーゼの特異的結合様式を検討する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] UCHL1 provides diagnostic and antimetastatic strategies due to its deubiquitinating effect on HIF-1α.2015

    • 著者名/発表者名
      Goto Y, Zeng L, Yeom CJ, Zhu Y, Morinibu A, Shinomiya K, Kobayashi M, Hirota K, Itasaka S, Yoshimura M, Tanimoto K, Torii M, Sowa T, Menju T, Sonobe M, Kakeya H, Toi M, Date H, Hammond EM, Hiraoka M, Harada H.
    • 雑誌名

      UCHL1 provides diagnostic and antimetastatic strategies due to its deubiquitinating effect on HIF-1α.

      巻: Jan 23;6 ページ: 6153

    • DOI

      10.1038/ncomms7153.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Genes suppressed by DNA methylation in non-small cell lung cancer reveal the epigenetics of epithelial-mesenchymal transition.2014

    • 著者名/発表者名
      Lin SH, Wang J, Saintigny P, Wu CC, Giri U, Zhang J, Menju T, Diao L, Byers L, Weinstein JN, Coombes KR, Girard L, Komaki R, Wistuba II, Date H, Minna JD, Heymach JV.
    • 雑誌名

      BMC Genomics

      巻: Dec 8;15 ページ: 1079

    • DOI

      10.1186/1471-2164-15-1079.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Indentification of subsets of patients with favorable prognosis after recurrence in completely resected non-small cell lung cancer.2014

    • 著者名/発表者名
      335.Sonobe M, Yamada T, Sato M, Menju T, Aoyama A, Sato T, Chen F, Omasa M, Bando T, Date H.
    • 雑誌名

      Ann Surg Oncol

      巻: 21(8) ページ: 2546-54

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2016-05-27  

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