マウスモデルを用いて、心停止ドナーからの肺移植後の虚血再灌流障害の分子メカニズム、主に血管内皮細胞の働きを解明し、さらに心停止ドナーからの肺移植後の虚血再灌流障害の抑制・予防することを目的とした。心停止ドナー肺の血管内皮細胞は再灌流前の温虚血時にすでに破綻していると考えられ、ドナー肺における血管内皮細胞障害の抑制が治療の鍵となると考えられた。それを検証するために、血管内皮細胞間の接着を強固にすると報告のあるR-spondin 3を用いたところ、虚血再灌流障害を抑制した。温虚血前に血管内皮細胞間の接着を強固にすることが、温虚血後の再灌流障害の抑制に寄与することがわかった。
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