研究実績の概要 |
【目的】非小細胞肺癌の手術標本より癌部、非癌部から検体を採取し、上清を回収する。ストックした上清をCytometric Bead Array Human Soluble Protein Master Buffer Kit (BD社)を用いて多項目サイトカイン同時定量解析を行う。 【検討項目】間質性肺炎合併肺癌(IP),非合併肺癌(non IP)におけるサイトカイン発現の比較を行う。下記5項目におけるpropensity score matching(PSM)(年齢、性別、喫煙歴、組織型、病理病期)を行う。【対象】2006年1月から2015年12月までの肺癌切除症例:non IP: 926 例、IP: 49例からPSMを行った結果、non IP65例、IP33例を対象。【方法】蛋白抽出の後、Bradford法にて定量、BD Cytometric Bead Aray Human Soluble Protein Master Kitを用いて以下のサイトカインを測定した。測定サイトカイン:IL-6, IL-1β, IL-17A, IL-10, VEGF, FGF, TNF, IL-12p, IFN-γ。【結果】①non IP症例におけるサイトカイン発現:non IPではIL-6は非癌部での発現量が高く、VEGFは腫瘍部での発現が高かった。IL-10, TNF, IL-12p, IFN-γ は検出できず。②IP症例におけるサイトカイン発現:IL-6は非癌部での発現量が高く、IL-1β,VEGF,FGFは腫瘍部での発現が高かった。IL-10, TNF, IL-12p, IFN-γ は検出できず。③non IP, IPのサイトカイン発現量の比較:非癌部, 癌部いずれにおいてもFGFはIP症例で高値であった。【今後の展開】①非癌部、癌隣接部、癌部におけるFGFの発現をIP、nonIPで比較。②免疫染色で肺癌におけるFGF発現の評価。
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