研究課題
VEGF-C や VEGF-D を産生する腫瘍細胞は転移したリンパ節でリンパ管新生を誘導することが明らかになり、この現象が更に遠くのリンパ節あるいは全身への転移につながる可能性を示唆している。今回の実験にて腫瘍細胞接種後 EP3-/-と EP3+/+の縦隔リンパ節でのリンパ管新生促進因子 及び形態学的にリンパ管新生が起きているか否か検討を行った。A.縦隔リンパ節内のリンパ管新生促進因子(VEGF-C,VEGF-D)が発現しているか否かの検討(天野、大学院生が担当) 腫瘍細胞接種後、経時的に縦隔リンパ節を摘出し、EP3+/+とEP3-/-との縦隔リンパ節でPCRに てVEGF-C, VEGF-Dの発現について経時的に比較検討を行い、EP3-/-はEP3+/+と比較し有意にVEGF-C及びVEGF-Dの発現の低下を認めた。B.縦隔リンパ節内及び周辺にリンパ管新生が生じているか否かの検討(天野、大学院生が担当) 腫瘍細胞接種後、経時的に縦隔リンパ節を摘出し、EP3+/+とEP3-/-との縦隔リンパ節でリンパ 管特異的マーカーであるLYVE-1の免疫組織染色を施行し、リンパ節周辺に形成されたリンパ管数を定量化し比較検討を行った。EP3-/-はEP3+/+と比較し有意に縦隔リンパ節でのLIVEの陽性細胞の低下を認めた。以上の実験よりEP3受容体が縦隔リンパ節の形成に重要な役割を担っていることが証明できた。今回の研究により、選択的EP3受容体拮抗薬が肺癌の再発に最もkeyとなるリンパ節転移の制御が可能になることを示した。今後、臨床の実施に向けての研究を行う予定である。また、今回の研究でその制御する細胞が樹状細胞だけでなく骨髄由来免疫抑制性細胞も関与していることを示すデータを得られた。今後の研究で探求していく予定である。
薬理学研究室のホームページにて最近の研究業績を記載している。
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