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2014 年度 実施状況報告書

EGFR germline変異による遺伝性肺癌の臨床および分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26462133
研究機関杏林大学

研究代表者

大塚 弘毅  杏林大学, 医学部, 助教 (70439165)

研究分担者 渡邊 卓  杏林大学, 医学部, 教授 (00191768)
藤原 正親  杏林大学, 医学部, 講師 (20407026)
横山 琢磨  杏林大学, 医学部, 助教 (50439197)
松島 早月  杏林大学, 医学部, その他 (80231596)
大西 宏明  杏林大学, 医学部, 准教授 (80291326)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードEGFR V843I germline変異 / 遺伝性肺癌症候群 / 次世代シーケンス / 全ゲノムシーケンス / 遺伝子改変マウス / 遺伝子変異導入細胞 / プロテオミクス / 分子シミュレーション
研究実績の概要

1.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の臨床および遺伝子学的解析①当院で経験したEGFR V843I germline変異遺伝性肺癌症候群の患者の腫瘍組織、血液のDNAを用いて、次世代シーケンスの全ゲノムシーケンスを行って、現在解析中である。
2.EGFR germline変異による肺癌発癌性の解明①EGFR V843I変異を有する遺伝子改変マウスを作製した。②同じ変異を持つマウスどうしを交配させ、31匹の変異マウスを繁殖させた。③26匹の変異マウスが死亡するまで飼育し、死亡時には解剖を行い腫瘍の発生の有無を確認した。腫瘍が発生していれば腫瘍を採取して、凍結保存およびホルマリン固定した。④ホルマリン固定した腫瘍は、病理にてパラフィン切片を作成、腫瘍の病理診断を行った。⑤遺伝子改変マウス作製に用いたC57BL/6Jマウスの野性型60匹も死亡するまで飼育している。
3.EGFR germline変異細胞の機能解析①NIH-3T3細胞を用いて、V843Iと共存するL858R EGFR遺伝子変異導入細胞を作製した。②EGFR V843I germline変異遺伝性肺癌症候群の肺癌症例から肺癌培養細胞を樹立した。
③EGFR変異導入細胞の増殖能をMTS法で調べた。V843I変異導入細胞の腫瘍形成能をコロニー形成アッセイで確認した。V843I変異導入細胞のEGFR以下のシグナル伝達経路( EGFR、ERK1/2、STAT5 )の活性化を各蛋白抗リン酸化抗体によるフローサイトメトリで確認した。④樹立した肺癌培養細胞から蛋白を抽出して、LC/MSによるプロテオミクスを行った。現在解析中である。
4. EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の予防法、治療法の開発①3次元EGFR蛋白コンピューターシミュレーションにより、V843IとT790M およびそれらの変異と共存するL858R EGFR変異蛋白と各種分子標的薬のドッキングシミュレーションを行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の臨床および遺伝子学的解析①EGFR V843Igermline変異遺伝性肺癌症候群の患者の全ゲノムシーケンスを行った。
2.EGFR germline変異による肺癌発癌性の解明①EGFR V843I変異遺伝子改変マウスを作製し繁殖させ、病理学的に腫瘍形成を確認している。遺伝子改変マウス作製に用いたC57BL/6Jマウスの野性型も飼育している。
3.EGFR germline変異細胞の機能解析①NIH-3T3細胞を用いて、EGFR遺伝子変異導入細胞を作製した。EGFR V843I germline変異遺伝性肺癌症候群の肺癌症例から肺癌培養細胞を樹立した。EGFR変異導入細胞の腫瘍形成能をコロニー形成アッセイで確認した。V843I変異導入細胞のEGFR以下のシグナル伝達経路( EGFR、ERK1/2、STAT5 )の活性化をフローサイトメトリで調べた。樹立した肺癌培養細胞の蛋白によるプロテオミクスを行った。
4. EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の予防法、治療法の開発①3次元EGFR蛋白コンピューターシミュレーションにより、V843IとT790M およびそれらの変異と共存するL858R EGFR変異蛋白と各種分子標的薬のドッキングシミュレーションを行った。

今後の研究の推進方策

1.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の臨床および遺伝子学的解析①EGFR V843I germline遺伝子変異肺癌症候群の家族の遺伝子学的解析を行う。T790Mについても解析する。遺伝子異常と臨床病理学的な所見の関連性を見いだす。
2.EGFR germline変異による肺癌発癌性の解明①T790M変異遺伝子改変マウスを作製し、V843Iと同様の解析を行う。
3.EGFR germline変異細胞の機能解析①T790M遺伝性肺癌症候群の患者の腫瘍から培養細胞を樹立して、V843Iと同様の解析を行う。
4.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の予防法、治療法の開発①遺伝子変異導入細胞や樹立肺癌培養細胞で、コンピューターシミュレーションで候補に挙がった分子標的治療薬について薬剤感受性試験にて感受性を調べ、本遺伝性肺癌症候群の予防薬や治療薬の基礎的な知見を見出す。

次年度使用額が生じた理由

1.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の臨床および遺伝子学的解析①EGFR V843I germline遺伝子変異肺癌症候群の家族の遺伝子学的解析、T790Mの解析、および遺伝子異常と臨床病理学的な所見の関連性の解析が次年度に持ち越された。 2.EGFR germline変異による肺癌発癌性の解明①T790M変異遺伝子改変マウスを作製が次年度に持ち越された。 3.EGFR germline変異細胞の機能解析①T790M遺伝性肺癌症候群の患者の腫瘍から培養細胞を樹立が次年度に持ち越された。

次年度使用額の使用計画

1.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の臨床および遺伝子学的解析①EGFR V843I germline遺伝子変異肺癌症候群の家族の遺伝子学的解析を行う。T790Mについても解析する。遺伝子異常と臨床病理学的な所見の関連性を見いだす。 2.EGFR germline変異による肺癌発癌性の解明①T790M変異遺伝子改変マウスを作製し、V843Iと同様の解析を行う。 3.EGFR germline変異細胞の機能解析①T790M遺伝性肺癌症候群の患者の腫瘍から培養細胞を樹立して、V843Iと同様の解析を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] V843I, a Lung Cancer Predisposing EGFR Mutation, Is Responsible for Resistance to EGFR Tyrosine Kinase Inhibitors2014

    • 著者名/発表者名
      Satsuki Matsushima
    • 雑誌名

      Journal of Thoracic Oncology

      巻: 9 ページ: 1377, 1384

    • DOI

      10.1097/JTO.0000000000000241

    • 査読あり

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公開日: 2016-05-27  

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