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2016 年度 実施状況報告書

EGFR germline変異による遺伝性肺癌の臨床および分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 26462133
研究機関杏林大学

研究代表者

大塚 弘毅  杏林大学, 医学部, 助教 (70439165)

研究分担者 渡邊 卓  杏林大学, 医学部, 教授 (00191768)
藤原 正親  杏林大学, 医学部, 准教授 (20407026)
横山 琢磨  杏林大学, 医学部, 助教 (50439197)
松島 早月  杏林大学, 医学部, その他(移行) (80231596)
大西 宏明  杏林大学, 医学部, 教授 (80291326)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワードEGFR V843I germline変異 / 遺伝性肺癌症候群 / 次世代シーケンス / 全ゲノムシーケンス / 遺伝子改変マウス / 遺伝子変異導入細胞 / プロテオミクス / 分子シミュレーション
研究実績の概要

1.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の臨床および遺伝子学的解析 EGFR V843Igermline変異遺伝性肺癌症候群の患者の腫瘍組織、血液のDNAを用いて、全ゲノムシーケンスを行い、EGFR V843I以外の癌関連遺伝子変異リスクを有しないこと、腫瘍にはEGFR L858Rに加えてTP53 R248W somatic変異を有することを明らかにした。また手術後の経過が良好な家族の肺癌のターゲットシーケンスでは、EGFR V843IとL858R変異のみを認めた。2.EGFR germline変異による肺癌発癌性の解明 34匹の EGFR V843I変異マウスの腫瘍の発生を確認した。コントロールとして、遺伝子改変マウス作製に用いたC57BL/6Jマウスの野性型87匹も自然発がんを検討している。3.EGFR germline変異細胞の機能解析 NIH-3T3細胞を用いて、V843Iと共存するL858R EGFR遺伝子変異導入細胞を作製し、V843I変異導入細胞の増殖能、腫瘍形成能を確認した。またEGFR以下のシグナル伝達経路( EGFR、ERK1/2、STAT5 )の活性化を確認した。EGFR V843I germline変異遺伝性肺癌症候群の肺癌症例から肺癌培養細胞を樹立し、樹立した肺癌培養細胞から蛋白を抽出して、LC/MSによるプロテオミクスを行った。免疫チェックポイント阻害剤による治療の可能性を求めて、その標的となる免疫チェックポイント分子群の発現を検討している。4. EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の予防法、治療法の開発 動的3次元EGFR蛋白コンピューターシミュレーションにより、V843Iおよびその変異と共存するL858R EGFR変異蛋白と各種分子標的薬の動的ドッキングシミュレーションを行い、既存のEGFR阻害剤の多くは無効であることが予測された。樹立肺癌培養細胞を用いたMTS法による薬剤感受性試験でも同様の結果が得られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の臨床および遺伝子学的解析 EGFR V843Igermline変異遺伝性肺癌症候群の患者の全ゲノムシーケンスを行い、現在英文論文作製中である。2.EGFR germline変異による肺癌発癌性の解明 コントロールとして遺伝子改変マウス作製に用いたC57BL/6Jマウスの野性型も飼育し、自然発癌を検討中である。3.EGFR germline変異細胞の機能解析 樹立した肺癌培養細胞の蛋白によるプロテオミクスを行い、免疫チェックポイント阻害剤治療の可能性を検討している。4. EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の予防法、治療法の開発
動的3次元EGFR蛋白コンピューターシミュレーションにより、V843I およびその変異と共存するL858R EGFR変異蛋白と各種分子標的薬のドッキングシミュレーションを行い、治療可能性のある薬剤をスクリーニングしている。

今後の研究の推進方策

1.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の臨床および遺伝子学的解析 現在英文論文を作製中であり、論文発表を行う。2.EGFR germline変異による肺癌発癌性の解明 マウスを用いた発癌実験を継続する。3.EGFR germline変異細胞の機能解析 免疫チェックポイント阻害剤による治療の可能性を検討する。4.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の予防法、治療法の開発 遺伝子変異導入細胞や樹立肺癌培養細胞で、動的コンピューターシミュレーションで候補に挙がった分子標的治療薬について薬剤感受性試験にて感受性を調べる。

次年度使用額が生じた理由

1.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の臨床および遺伝子学的解析 家族の肺癌の全エクソンシーケンスが未完了である。2.EGFR germline変異による肺癌発癌性の解明 コントロールとしての遺伝子改変マウス作製に用いたC57BL/6Jマウスの野性型の自然発癌の検討が未完了である。3.EGFR germline変異細胞の機能解析 樹立した肺癌培養細胞の蛋白によるプロテオミクスを行い、免疫チェックポイント阻害剤治療の可能性を検討が未完了である。4. EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の予防法、治療法の開発 動的3次元EGFR蛋白ドッキングコンピューターシミュレーションによるV843I およびその変異と共存するL858R EGFR変異蛋白に有効な薬剤をスクリーニング中である。

次年度使用額の使用計画

1.EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の臨床および遺伝子学的解析 家族の肺癌の全エクソンシーケンスを行う。2.EGFR germline変異による肺癌発癌性の解明 野性型マウスの自然発癌実験を継続する。3.EGFR germline変異細胞の機能解析 肺癌培養細胞の蛋白によるプロテオミクスの結果から、免疫チェックポイント阻害剤治療の可能性を検討する。4. EGFR germline変異遺伝性肺癌症候群の予防法、治療法の開発 動的3次元EGFR蛋白ドッキングコンピューターシミュレーションによるV843I およびその変異と共存するL858R EGFR変異蛋白に有効な薬剤をスクリーニングする。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] EGFR V843I germline 変異をもつ遺伝性肺癌症例におけるWhole Genome Sequencing解析2016

    • 著者名/発表者名
      大塚弘毅
    • 学会等名
      日本臨床検査医学会総会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2016-09-01 – 2016-09-04

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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