研究課題/領域番号 |
26462134
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大塚 崇 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (40306717)
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研究分担者 |
下田 将之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70383734)
安樂 真樹 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (70598557)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肺移植 / 拒絶反応 / マトリックスメタロプロテアーゼ |
研究実績の概要 |
肺移植後拒絶反応であるbronchiolitis obliterans(BO)は肺移植後5年間で50%程度の患者に認められる障害である.現在まで病態,治療法は確立されていない.一方マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)は組織の線維化,炎症などに重要な役割を果たすタンパク質であり,肺移植後拒絶反応にも重要な役割を果たす可能性がある.我々は,BOの前病変と考えられるリンパ球性気管支炎をマウス気管移植モデルで作成した.そのマウス気管移植モデルを用いてMMPの発現,MMP阻害薬による拒絶反応,制御性T細胞の浸潤の程度,炎症性サイトカインの発現を検討した.また人工酸素運搬体によるMMP発現の変化をin vitroにて検討する予定であった.MMP阻害薬投与群では、非投与群と比べ制御性T細胞数に有意な差は見られなかった。しかしながらMMP阻害薬投与群では制御性T細胞の数が増加していた.また一方総T cell数はMMP阻害薬投与群,非投与群で差が無かった.狭窄率はMMP阻害薬投与群で有意に改善されていた.炎症サイトカインであるIFN-ガンマはMMP阻害薬投与群で抑制されていた.またFOXP3のmRNAはMMP阻害薬投与群で増加していた.総T細胞数に変化のないものの制御性T細胞の数の増加が見られ,FOXP3mRNAの増加が認められたことは,制御性T細胞を経由したMMPの移植拒絶反応の抑制が起こっていたと考えられる.気管移植モデルにおいて薬剤により制御性T細胞の変化することが拒絶反応と関係していることを初めて示した実験となった.
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