研究課題/領域番号 |
26462137
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
川村 雅文 帝京大学, 医学部, 教授 (70169770)
|
研究分担者 |
高橋 祐介 帝京大学, 医学部, 助教 (00445214)
松谷 哲行 帝京大学, 医学部, 講師 (60621943)
泉 陽太郎 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (90245506)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 肺癌 / 凍結療法 / 免疫反応 |
研究実績の概要 |
平成26年度は両側大腿皮下腫瘍モデルの作製から実験を開始した。C57/BL6 JJマウスの両側大腿皮下にルイス肺癌株(LL2)を移植し、双方とも同じ大きさにする条件の検討から開始した。両側大腿皮下腫瘍モデルが安定的に作製できるようになったところで、クライオアブレーションの手技の統一化を行った。クライオアブレーションはエコーガイドに行い、腫瘍の中心部にプローベを留置することで手技を統一することができた。 次に、マウス両側大腿皮下腫瘍モデルに対するクライオアブレーションを行った。クライオアブレーションの一回あたりの時間と回数によって、2秒×2回、2秒×3回、3秒×4回の4群に分けて施行し、術側および対側の腫瘍の大きさの測定と組織学的所見を評価した。 その結果、1回あたり3秒間を2回繰り返す群で施行後4日目に約75%の壊死が組織学的に確認され、対側の腫瘍の成長が最も遅い傾向があった。また1回あたり2秒間で2回繰り返す群では壊死の面積は全体の20%前後であり、対側の腫瘍の成長速度はコントロール群とほぼ同等の傾向であった。 平成27年度は、組織学的な壊死の面積と腫瘍の増大の関係を、より多いサンプル数で確立し、統計学的に証明する予定である。さらに、免疫担当細胞の賦活化の度合いをCD4, CD8, CD3, FoxP3, CD27, CD278などの免疫染色を用いて評価、さらにELISAによってIL-2, IL-6, IL-12, TNF-αなどの液性因子の挙動についても評価を行い、メカニズムの解明につなげていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス皮下大腿腫瘍モデルの作製、クライオアブレーションの手技の確立ができていて、組織学的な評価を行えているから。
|
今後の研究の推進方策 |
当初はC57/BL6 JJマウスから同種樹状細胞を単離、培養して、クライオアブレーションモデルに注入する計画であったが、メカニズムの解析を優先することとする。具体的には、平成27年度は、組織学的な壊死の面積と腫瘍の増大の関係を、より多いサンプル数で確立し、統計学的に証明する予定である。さらに、免疫担当細胞の賦活化の度合いをCD4, CD8, CD3, FoxP3, CD27, CD278などの免疫染色を用いて評価、さらにELISAによってIL-2, IL-6, IL-12, TNF-αなどの液性因子の挙動についても評価を行い、メカニズムの解明につなげていく予定である。それが達成されたら、樹状細胞の注入を行うこととする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
クライオアブレーションの機器が予定よりも安価に入手できたため
|
次年度使用額の使用計画 |
平成26年度の繰越金を液性因子の解析費用にあてる予定
|