研究実績の概要 |
平成27年度は腫瘍凍結壊死療法(60秒間)2回施行群で約75%壊死が観測されたことをもとにして、非施行群、1回群、2回群、3回群に分けて対側腫瘍のCD4, CD8, Foxp3, Ki-67の発現を免疫組織化学によって評価した。2回施行群で腫瘍内のCD4またはCD8陽性リンパ球の浸潤の割合がもっとも高いことがわかった。またFoxp3陽性リンパ球浸潤は2回施行群で低い傾向があったもののほかの施行群とは有意差を認めなかった。Ki-67については2回施行群で最も陽性細胞の比率が低かった。 また、腫瘍凍結壊死療法施行4日後の腫瘍周囲洗浄液中のサイトカインをmultiplex flow immunoassayを用いて測定した。IL-1 β, IL-2, IL-6, IL-12β, IFN-γ, および TNF-α濃度は2回施行群で最も高かった。 以上のことから、本研究の条件においては腫瘍凍結壊死療法2回施行による約75%の壊死が対側腫瘍への免疫学的抗腫瘍反応を最も有効に惹起する可能性が示された。 平成28年度はこのデータをもとにさらなる考察を加えて論文化につなげていく予定である。
|