研究課題/領域番号 |
26462138
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
大平 達夫 東京医科大学, 医学部, 教授 (40317847)
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研究分担者 |
池田 徳彦 東京医科大学, 医学部, 教授 (70246205)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肺癌 / バイオマーカー / マイクロRNA |
研究実績の概要 |
組織からのRNAの抽出 平成26年度には、組織からのRNAの抽出およびマイクロRNAの検出を行うことを主に予定していた。当院で行われた肺癌手術の患者を対象に外科的治療の際に摘出された組織を病院病理部にてホルマリン固定された病理学的診断に影響のない部分から採取されたものを用いる。腫瘍部および正常部の肺組織パラフィン包埋ホルマリン固定ブロックから、それぞれ4-10μm厚の薄切片を作製し、腫瘍部は2枚、正常部は4枚をチューブに入れて、キシレンを用いて脱パラフィンを行う。次にエタノールを加えて組織を洗浄してキシレンを完全に除去した後、組織を風乾してエタノールを除く。そこに、Proteinase K 溶液を加えて加熱することで、組織を消化する。最後に、カラムを用いてRNAを精製する。吸光度測定および電気泳動により、抽出したRNA収量、純度、分解の程度を確認して、実験に使用する。 miRNAの検出 抽出した全RNAを、Hy5 miRCURY LNAでラベルし、 マイクロRNA をHy5 Power labeling kit(Exiqon A/S, )でラベルし、マイクロRNA の発現をマイクロRNA microarray kit を用いて約900のマイクロRNAを網羅的に解析する(3D-Gene, Toray, Kamakura, Japan)。 その後、統合解析を行い、各群に特異的なマイクロRNAを検出する。現在のところ、組織でのRNAの抽出を行い、一部の腫瘍でマイクロRNAの検出を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験計画に対して概ね順調に経過している。しかしながら、マイクロRNAの測定が予定よりも遅れており、比較的高額であるマイクロRNAのプレートの使用を次年度に予定している。 このような経緯により、次年度は予定よりも支出が多くなる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度には、継続して組織からのマイクロRNAの検出を行うとともに、解析を開始して、臨床情報との関連を解析する。また、血液からのRNAの抽出を開始してマイクロRNAの検出を行う。インフォームドコンセントの得られている試料提供者に対して行う.7mlの試験管2本約14mlとする。採取した血液は、核酸抽出試薬を適量混和し,-80度にして凍結保存する.その後RNAを抽出する.抽出されたRNAはマイクロRNA解析に用いる。血液からは、RNA抽出キットを用いて抽出を行い、微量なRNAの増幅をおこなう。また、国内の権威ある学会に発表を行い、情報収集および実験法などの軌道修正を行っていきたい。今年度は、学会の日程が合わずに参加できなかったが、欧米を中心とした海外で行われる国際学会にも参加して発表を行っていきたい。 今後は、血液での解析も進めていき、血液でのバイオマーカーとしての解析も進めていくようにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画では、マイクロRNAの解析を進める予定でしたが、RNAの抽出まで進んでいる状態。ほぼ予定通りに進んでいるが、まだ予定よりも少し遅れて、次年度に測定がずれ込んでおり、差異が生じた。 また、国際学会で発表ならびに意見交換を予定していたが、時期があわずに参加できなかったために差異が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に解析を予定しており、次年度は、マイクロRNAの検出のために、実験キットを予定よりも多く使用する予定としている。マイクロRNAの検出キットは、高額であり次年度は予定よりも高額となる予定である。 また、時期や内容が適切な学会があれば、参加を検討したいと考えている。
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