研究課題
進行肺癌に対する集学的治療を用いた成績向上のため、超音波気管支鏡による確実なサンプリングに基づいた個別化治療のシステム構築を目的とし、術前導入化学放射線療法を分子生物学的特徴に基づいてデザインすることを目標とした。このため、縦隔リンパ節転移を有する進行非小細胞肺癌で、carboplatinとdocetaxelを用いた術前化学放射線療法施行後に手術を施行した20例を対象とし、術前療法施行前の主病巣及び転移リンパ節の生検検体と手術切除標本とを用いて、class III beta-tubulin (TUBB3) とexcision repair cross-complementing 1 (ERCC1) の蛋白発現を解析し、治療成績と比較検討した。手術切除標本で組織学的効果判定が著効及び中等度であった症例は有意に予後良好であったが、治療前生検検体からの予測は困難であった。治療前生検検体でTUBB3及びERCC1ともに高発現であった症例は予後不良となる傾向が認められたが有意差は認められなかった。予後因子として強いものではないが、集学的治療における個別化治療の構築に有用な結果と思われた。論文報告としては、EGFR遺伝子変異陽性肺癌のBIM多形について検討し「Association of BIM Deletion Polymorphism and BIM-γ RNA Expression in NSCLC with EGFR Mutation.」としてCancer Genomics Proteomics誌にacceptされ、acknowledgementに本研究費のサポートを受けた趣旨を記載した。また、気腫合併間質性肺炎に生じた肺癌の治療成績について検討し「Clinical features and prognoses in patients with lung cancer and combined pulmonary fibrosis and emphysema.」としてMolecular and Clinical Oncology誌にacceptされ、acknowledgementに本研究費のサポートを受けた趣旨を記載した。
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Molecular and Clinical Oncology
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