研究課題/領域番号 |
26462141
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
猶本 良夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00237190)
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研究分担者 |
世良 貴史 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (10362443)
深澤 拓也 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20379845)
山辻 知樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (40379730)
高岡 宗徳 川崎医科大学, 医学部, 講師 (50548568)
羽井佐 実 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70322229)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肺外科 / 分子標的治療 |
研究実績の概要 |
我々は、これまでに、標的遺伝子の発現を自在にコントロールできる人工転写因子(artificial transcription factor: ATF) を開発した(Sera T et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 101:15225-30. 2004)。この人工転写因子は、標的遺伝子の調節領域を特異的に認識できる人工DNA 結合タンパク質、転写調節ドメインおよび 核移行シグナルの3つのドメインから構成される。今回、我々は、扁平上皮癌のdriver oncogeneの遺伝子調節領域を特異的に認識できる標的抑制型zinc finger based artificial transcription factor (ATF) を用い、肺・食道扁平上皮癌に対する新規標的療法、集学的治療確立のための基礎的検討を目指す。Sox2はiPS細胞の樹立に必要な山中ファクターの一つである一方で、扁平上皮癌において活性化される系統維持型癌遺伝子であることが報告された。Sox2抑制型ATFを発現するプラスミドベクター:pZFR/Sox2を作製し、Sox2 promoterを有するluciferase constructを用いたluciferase assayを行ったところ、当該人工転写因子は、肺扁平上皮癌細胞EBC2、LK2においてSox2転写活性を抑制した。 しかしpZFR/Sox2をtransfection後のこれらの肺癌細胞におけるSox2 発現抑制効果は蛋白レベル、mRNAレベルでともに僅かであり、またcell viability assayの結果、有意な細胞増殖抑制効果が見られなかった。そこで癌細胞への導入効率を改善させるためZFR/Sox2発現型adenoviral vector: Ad-ZFR/Sox2を作製し、ZFR/Sox2導入後のSox2発現をHEK293細胞で確認したところ、Sox2の発現減少が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
プラスミドによる人工転写因子の導入効率が、目的とする肺癌細胞で低かったため、viral vectorを作製し再検討を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、初年度後半に行う予定であったSox2を含む肺癌標的遺伝子の転写制御と下流シグナル解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
プラスミドによる人工転写因子の導入効率が、目的とする肺癌細胞で低かったため、viral vectorを作製し再検討を行っている。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は平成26年度請求額とあわせ、現在取り組んでいる、Sox2を含む肺癌標的遺伝子の転写制御と下流シグナル解析を進めるために必要な細胞・分子生物試薬費を使用する。
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備考 |
川崎医科大学 総合外科学HP:http://www.kawasaki-m.ac.jp
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