研究課題/領域番号 |
26462142
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
守屋 康充 千葉県がんセンター(研究所), がんゲノムセンター, 客員研究員 (90375692)
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研究分担者 |
飯笹 俊彦 千葉県がんセンター(研究所), 医療局, 医療局長 (10272303)
横井 左奈 千葉県がんセンター(研究所), がんゲノムセンター, 部長 (30372452)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 肺癌 / 喫煙関連肺癌 / 扁平上皮癌 / 遺伝子 / ゲノム / マイクロRNA / 外科 |
研究実績の概要 |
近年、分子標的治療薬の治療効果は、非喫煙者の肺腺癌におけるEGFR変異陽性例やALK転座例に著効を示し、注目を浴びている。しかし、扁平上皮癌など主に喫煙を発症要因とする肺癌(全肺癌の約60%程度)に対する分子標的治療薬は未だ開発されていない。 本研究は喫煙関連肺癌において、次世代シークエンス解析により400以上の癌関連遺伝子の全エクソン解析を行い、我々がすでに有する肺癌cDNA発現プロファイルおよびマイクロRNA発現プロファイルとの比較検討から喫煙関連肺癌の新しいシグナルパスウェイを解明し、実用化可能なレベルでの包括的な分子診断技術の開発および核酸医薬として応用できるような新規治療標的を探索した。 まず、過去に当施設で治療を行った喫煙関連肺癌症例について、手術標本の凍結サンプルの中から癌腫瘍組織と正常組織由来のDNAを抽出精製、品質の確認を行った。またThe Cancer Genome Atlasに公開されている肺扁平上皮癌、肺腺癌のRNA sequencing およびSNP arrayのデータを用いて情報学的解析を行い、ゲノムコピー数増加を認める染色体領域を探索し、その領域に座位し、肺扁平上皮癌に特異的に発現するマイクロRNAを探索したところ、正常肺組織、肺腺癌と比較して、肺扁平上皮癌で有意に発現上昇するマイクロRNAを30種、発現低下するマイクロRNAを4種同定した。これらのマイクロRNAのうち、特定の3種類のマイクロRNAの発現が上昇している症例の予後は有意に予後不良であった。この標的遺伝子を、当施設で治療を行った喫煙関連肺癌症例から抽出精製されたDNAを用いて検討、解析を行い、さらに追加解析を行った。これらの研究成果の一部を、2016年日本癌学会学術総会、IASLC 17th world conference on lung cancerにて発表した。
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