研究課題
本研究では、肺癌をはじめとした呼吸器悪性腫瘍の微小環境における宿主側・腫瘍側の免疫制御に関わる分子と、肺癌のoncogenic driverをはじめとした臨床病理学的特徴との相関を解析することにより、免疫逃避メカニズムの解明とそれに基づく治療法の開発を目的とする。本年度は、腫瘍局所における免疫チェックポイント分子の発現解析、EGFR遺伝子変異, ALK融合遺伝子をはじめとしたdriver mutationの発現の解析を進めた。肺腺癌症例で、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体で免疫染色の条件設定を行い、標本作成可能であった251例の肺腺癌I期切除標本の薄切、悪性胸膜中皮腫60例の薄切を行い、抗PD-1抗体・抗PD-L1抗体での免疫染色がほぼ終了したところである。さらに、肺癌切除症例のみならずIV期進行肺癌症例のEFGR、ALK、RET、ROS1などのdriver mutationの発現解析を継続している。さらに癌性胸水から腫瘍細胞を分離採取し細胞株樹立すべくを株化培養をすすめてる。本研究により、予後不良な呼吸器悪性腫瘍の微小環境における宿主側・腫瘍側の免疫制御に関わる分子と、肺癌の臨床病理学的特徴の相関を解明し、免疫逃避メカニズムの解明とそれに基づく治療法の開発につながると考えられる。
2: おおむね順調に進展している
肺腺癌I期切除症例、およびH27年度に予定していた悪性胸膜中皮腫症例の免疫染色まで終了しているため。
当初の予定である平成27年度の計画書に従い進めていく。
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