研究課題/領域番号 |
26462144
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター) |
研究代表者 |
竹之山 光広 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (10309966)
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研究分担者 |
一瀬 幸人 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, その他 (00450940)
豊川 剛二 九州大学, 医学研究員, 助教 (30627261)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 免疫チェックポイント / 呼吸器悪性腫瘍 / PD-1 / driver mutation |
研究実績の概要 |
本研究では、肺癌をはじめとした呼吸器悪性腫瘍の微小環境における宿主側・腫瘍側の免疫制御に関わる分子と、肺癌のoncogenic driverをはじめとした臨床病理学的特徴との相関を解析することにより、免疫逃避メカニズムの解明とそれに基づく治療法の開発を目的とする。本年度は、評価可能であったI期肺腺癌完全切除例を対象に、肺癌の腫瘍微小環境におけるPD-L1の発現と、EGFR遺伝子変異, ALK融合遺伝子をはじめとしたdriver mutationの発現および臨床病理学的因子との相関の解析を行った。EGFR変異陽性を46.5%、K-ras変異陽性を4.8%、ALK融合遺伝子を7.1%に認めた。PD-L1の高発現群を32%に認め、腫瘍サイズと逆相関を認めた。I期全症例ではPD-L1発現と予後に相関を認めなかったが、EGFR wild type症例においては腫瘍サイズ(pT1a)とPD-L1強発現が予後良好因子であった。また、進行したIB期においてはPD-L1低発現が独立した予後因子であった。I期肺腺癌において、癌微小環境におけるPD-L1発現が予後と相関することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
肺腺癌I期切除症例の免疫チェックポイント分子と臨床病理学的因子との相関の評価を行い、予後との相関の結果を得た。またH27年度に予定していた悪性胸膜中皮腫症例および胸腺悪性腫瘍の免疫染色まで終了しているため。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定である研究計画書に従い進めていく。 肺癌患者リンパ球と、autologousの樹立肺癌細胞株の混合培養を行う際に抗PD-1抗体、または抗PD-L1抗体、抗CTLA-4を添加することにより、CTLの誘導能が変化するか検討する。 さらに樹立した自己肺癌特異的CTL cloneのeffector phaseでの抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体、抗CTLA-4抗体を添加することにより、細胞障害性や腫瘍特異的サイトカイン産生能が変化するか検討する。 胸水からの肺癌細胞株の樹立を試みるとともに、胸水採取時のリンパ球を凍結保存し、自己リンパ球—樹立肺癌細胞株の系の構築を更に進める。
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