悪性胸膜中皮腫は治療抵抗性できわめて予後不良の悪性腫瘍であり、従来とは全く異なる機序の治療が求められている。我々は骨粗鬆症治療薬であるゾレドロン酸の抗腫瘍効果、オートファジー誘導効果に着目し、ゾレドロン酸の悪性胸膜中皮腫細胞株に対する抗腫瘍効果を検討した。本研究において、我々はゾレドロン酸がヒト悪性胸膜中皮腫細胞株に対してin vitroで抗腫瘍効果(殺細胞効果、遊走抑制効果)を示すことを確認した。また、その抗腫瘍効果がオートファジー誘導を介したものであることを明らかにした。臨床応用に向けて、In vivoモデルでの抗腫瘍効果の検討、および詳細な作用機序の検討が今後の研究課題である。
|