研究課題/領域番号 |
26462153
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
桑山 直也 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (30178157)
|
研究分担者 |
秋岡 直樹 富山大学, 大学病院, 助教 (70422631)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 脳血管障害学 / 高次脳機能 / 頚動脈狭窄症 |
研究実績の概要 |
2014年4月から無症候性高度頚動脈狭窄症例の前向き登録を開始しており、症例数は30例を超えている。こられの症例については研究実施計画の通りRBANS 、JART、WAIS-R2下位検査による高次脳機能評価を実施するとともに、頚動脈エコー、CTA、脳神経外科血流SPECT、プラークMRI、脳MRIの評価も施行している。 平成27年はこれまでに頚動脈ステント留置術(CAS)を施行した118例(症候性59例、無症候性59例)の頚動脈狭窄症例における、術前と術後の高次脳機能を評価、検討した。術前におけるRBANS、JART、WAIS-R2下位検査を用いたディスクレパンシー分析の結果、高度頚動脈狭窄症例ではRBANS各尺度において次のような高次機能低下が認められた;即時記憶の低下症例60%、視空間構成の低下例25%、言語機能低下例47%、注意低下例70%、遅延記憶低下例57%、総指標低下例76%。これに対し、CAS術後に5%有意水準を越えて回復を示した症例の率は、即時記憶で63%、視空間構成で65%、言語機能で42%、注意で40%、遅延記憶で69%、総指標で52%であった。結論として、頚動脈狭窄症ではわずかな高次脳機能低下を伴い、CASを施行することでそれが改善することを示唆していると考えられた。この結果は「研究発表、平成27年度研究成果」欄に記載学会にて発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前向き登録症例は30例を越えており、またこれに過去の症例を加えた総数118例について評価したところ、研究仮説に近い結果が得られているため。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年も研究計画書の通りに症例の蓄積を進め、無症候性高度頚動脈狭窄症における軽度高次脳機能低下を確認するとともに、あらたにCASによる血行再建後の機能評価を加える。これにより低下していた高次脳機能がCASを行うことによって改善するか否かを評価、検討する。
|