くも膜下出血(SAH)後の脳血管攣縮は、遅発性に発症する主幹脳動脈の持続性の狭小化をもたらし、脳虚血を引き起こすことでSAH患者の予後を大きく左右する。しかし、その詳細な分子メカニズムは解明されていない。本研究では、くも膜下出血後のウサギ攣縮脳血管におけるマイクロアレイ解析により発現上昇を示した分子であるrelaxin、TIMP-1、MMP9の血管収縮性増大における役割を明らかにした。SAH後のrelaxin受容体の発現低下はくも膜下出血後の血管平滑筋持続収縮に、TIMP1/MMP9のアンバランスはくも膜下出血後の血管リモデリングの亢進に寄与している可能性が示唆された。
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