研究課題/領域番号 |
26462166
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
林 健太郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (40404222)
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研究分担者 |
出雲 剛 長崎大学, 病院(医学系), 講師 (40343347)
諸藤 陽一 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (40437869)
福田 修志 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (40646577)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | blood-brain barrier / Glucagon-like peptide-1 |
研究実績の概要 |
ラット脳より脳血管内皮細胞を分離,Transwellに培養し,血液-脳関門BBBのin vitro modelを作成した.高血糖状態ではBBBの機能は低下し,中枢神経系にdamageを与えると考えれるため,その機能と病態を評価した.Glucagon-like peptide-1 (GLP-1)はG protein coupled recepterであり,adenylate cyclaseを活性化する.cAMPやprotein kineseのシグナリングに関与している.GLP-1は糖尿病治療薬として用いられており,高血糖負荷の状態でのBBBにおけるGLP-1の作用について評価した.BBB modelではGLP-1は経内皮電気抵抗を上昇させ,Sodium fluoresceinの透過性は低下し,BBBの機能を亢進させた.その作用はDose dependent, time dependent であった.GLP-1は蛋白電気泳動ではtight junction proteingであるZO-1, occludin, claudin-5の発現を増加させた.GLP-1 antagonist exendin-3 はそれらの作用を抑制した.GLP-1の効果はcAMP/PKAシグナルを介して作用していた.また,GLP-1は高血糖で誘導される活性酸素を抑制し,BBB機能を回復した.臨床的には高血糖状態におけるBBB障害による中枢神経系傷害を抑制すると考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高血糖と血液-脳関門の機能について検討できているが,その作用の細胞内情報伝達経路をさらに追求する必要がある.
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今後の研究の推進方策 |
高血糖が血液-脳関門に与える影響について,ptoeint kinase Aなどの細胞内情報伝達経路の側面から検討中である.
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞内情報伝達経路の検討がやや遅れており,それに企てる研究費が残っている.
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次年度使用額の使用計画 |
免疫染色用や蛋白泳動法用の抗体,試薬などに使用を予定している.
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