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2016 年度 実績報告書

スフィンゴシン1リン酸による血液脳関門(BBB)機能制御の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26462167
研究機関長崎大学

研究代表者

中川 慎介  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 講師 (10404211)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード血液脳関門 / S1P / 脳虚血 / タイトジャンクション / プロブコール
研究実績の概要

リゾリン脂質の一つであるスフィンゴシン1-リン酸(S1P)の血液脳関門 (Blood-Brain Barrier、BBB)障害モデルでの役割を検討するために、in vitro BBBモデルとin vivoモデルを用いて検討した。
In vitro BBB モデルに低酸素-無グルコースを負荷した虚血再灌流モデルでは、虚血負荷により内皮細胞ではS1Pの合成酵素であるスフィンゴシンキナーゼ1(Sphk1)とS1Pの細胞外輸送に関わるトランスポーターであるABCA1のmRNA発現が上昇していた。また、BBBを構成するアストロサイトではABCA1の発現が上昇していた。虚血再灌流負荷後の培養上清中のS1P量をELISAで測定したところ、内皮細胞、アストロサイト、ペリサイトで産生の増大が観察された。これら3種類の細胞を共培養したBBBモデルを用いた検討では、虚血再灌流で増加したS1Pの培養上清中への放出が、ABCA1トランスポーターの阻害作用を持つプロブコールの処理により減少した。さらに、プロブコールは虚血再灌流障害により誘導されるBBBのバリアー機能低下を軽減した。
次に、一過性中大脳動脈閉塞によるin vivo脳梗塞モデルを用いて、プロブコールの作用を検討した。プロブコールの投与により、梗塞巣の減少や低分子トレーサーの透過性が減少し、in vivoにおいてもプロブコールのBBB保護効果が観察された。以上のことから、虚血時におけるS1P経路の抑制は脳血管障害に保護的に働くと考えられた。また、プロブコールは虚血再灌流障害時にS1P経路を抑制して、脳保護効果を示すと考えられる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2017 その他

すべて 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 血液脳関門の成り立ちとその病態2017

    • 著者名/発表者名
      中川慎介
    • 学会等名
      第122回日本解剖学会総会・全国学術集会
    • 発表場所
      長崎大学坂本キャンパス(長崎県・長崎市)
    • 年月日
      2017-03-28 – 2017-03-30
  • [学会発表] 血液脳関門の虚血再灌流障害におけるスフィンゴシン1-リン酸の役割2017

    • 著者名/発表者名
      中川慎介,有賀純
    • 学会等名
      第90回薬理学会年会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール(長崎県・長崎市)
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-17
  • [学会発表] ラット脳梗塞モデルにおける多能性幹細胞由来血管内皮細胞とペリサイト細胞移植の効果2017

    • 著者名/発表者名
      巽理恵,前田肇,中川慎介,堀江信貴,有賀純
    • 学会等名
      第90回薬理学会年会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール(長崎県・長崎市)
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-17
  • [学会発表] 初代培養サル脳毛細血管内皮細胞を用いた新規霊長類型インヴィトロ血液脳関門モデル2017

    • 著者名/発表者名
      渡邊大祐,中川慎介,Deli Maria,井澤賢,有賀純,丹羽正美
    • 学会等名
      第90回薬理学会年会
    • 発表場所
      長崎ブリックホール(長崎県・長崎市)
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-17
  • [備考] 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医科薬理学分野

    • URL

      http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/phrmch1/index.html

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公開日: 2018-01-16  

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