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2016 年度 実施状況報告書

ヒトiPS細胞由来神経細胞による皮質運動野の再構築と移植応用

研究課題

研究課題/領域番号 26462172
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

脇坂 季繁  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (80308527)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード再生医学
研究実績の概要

我々はヒトiPS細胞から神経幹/前駆細胞を分化誘導して、移植することで片麻痺マウスの運動機能が回復することを報告した。このモデルでは神経幹/前駆細胞が発現する受容体CXCR4に、炎症により産生されるケモカインSDF1が作用して神経細胞の遊走と成熟をもたらす。
一方、Reelinは神経細胞の移動と発達中の脳内の位置の固定の制御を補助する蛋白質である。Reelinは産生された後、神経細胞が発現するApoE受容体あるいはVLDL受容体に作用して、神経細胞のDistal-less homeobox遺伝子のリン酸化とその下流につらなるGSKbetaなどの細胞内刺激伝達系を活性化する。
神経細胞移植後には脳組織の再生時期に一致してヒトiPS細胞由来の神経細胞はReelinを発現するとともに、autocrineの様式でヒトiPS細胞由来の神経細胞はReelinを受け取り、一連の活性化が起きる。Reelin刺激により、神経細胞の遊走/移動に重要に関わるインテグリンや神経細胞接着因子の活性化/発現増強をもたらし、実際神経細胞の移動をもたらした。
Reelin発現そのものは脳内の各種ケモカインにより発現調節されていた。
我々の移植システムを用いて神経再生なかでも3次元脳組織再構築におけるReelin、Distal-less homeobox等の神経幹細胞走化関連蛋白の役割を明らかにしつつあり、近い将来に片麻痺患者への治療応用が可能になると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

我々の片麻痺モデルマウスを用いた細胞移植の実験系において、Reelinが神経細胞の遊走/移動に重要に関わることを示すことが出来た。
今後は論文作成に必要な補強データの作成を行う。

今後の研究の推進方策

これまでの研究計画を順調にこなしている。
今後も、当初の研究計画に従って、研究/実験を実施する。

次年度使用額が生じた理由

実験自体が順調に経過しており、使用する研究経費も少なく済んでいる。
次年度はこれらの実験結果を論文に仕上げるための、補充実験を行う。

次年度使用額の使用計画

最終年度に当たるので、論文執筆投稿を目指している。実験結果を補強するため、Reelin-Disabled-GSK経路に遺伝的な欠陥を持つ、KOマウスあるいはReelerマウス、yotariマウスを用いて同様の実験を行う。Reelin-Disabled-GSK経路に遺伝的な欠陥を持つマウスでの実験結果は、正常マウスで得られた結果を、補強するため、論文作成に必須である。

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公開日: 2018-01-16  

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