研究実績の概要 |
グリオーマ幹細胞としてbRiTs-G3細胞(慶應義塾大学 佐谷秀行先生より提供)を用い研究をおこなった。AICAR 5mgを950l PBSで溶解し50mMとし、100ul毎に分注し-20℃で保存し適宜希釈して使用した。beta-actin、GFAP、sox2、CD44、Nestinについてウエスタンブロット法で検討した結果、幹細胞マーカーといわれるsox2, CD44, Nestinは治療群にて発現が低下し、GFAPのは変わらなかった。AICAR投与により幹細胞性の低下が示唆された。次にAICARの細胞毒性効果について検討した。濃度を変えてAICARを投与しても、細胞増殖には影響がなかった。 続いてAICAR を0.15, 0.3, 0.6, 1.25, 2.5, 5mM投与し、48時間培養したneurosphereの形成について測定した。核濃度n=3で行い、sphereの個数を測定すると、濃度依存性にsphereの形成が抑制された。最後にAICARのconvection-enhanced delivery(CED)による投与を行い、幹細グリオーマ幹細胞モデルにおける生存解析をおこなった。、まずAICARの毒性の有無について検討したが、観察期間3週間内に体重の変化、神経脱落症状の出現、創部の変化は認められなかった。引き続き、生存試験をおこなったが、AICAR投与群はcontrol群に比較して有意な生存延長効果は認められなかった。
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