グリオーマは、予後不良な疾患であり、その高い浸潤性が治療上の問題である。我々は、同一細胞が、上皮系から間葉系に形態及び機能が変化する現象である上皮間葉転換に着目した。この中で、ZEB1/ZEB2が、グリオーマにおける浸潤に関与しているという仮説に基づき、その関連性を検討した。その結果、グリオーマ細胞において、ZEB1/2が高発現し、浸潤能に相乗的に関与とヒトグリオーマ組織検体におけるZEB1/2の発現と病理学的悪性度との相関を明らかにした。上皮間葉転換の転写因子であるZEB1/2が、悪性グリオーマの治療上の重要な標的になる可能性が示唆された。
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