悪性グリオーマに対してmTOR阻害薬が細胞内代謝に及ぼす影響とその耐性機構について、質量分析計によるメタボローム解析やreal-time PCRによる特定の代謝関連遺伝子の解析を行った。mTOR阻害薬を投与後にはグルタミン酸、α-ケトグルタル酸、コハク酸、リンゴ酸の有意な上昇を認め、代謝遺伝子グルタミナーゼ (GLS)のmRNA発現亢進を認めた。GLS阻害薬の投与によってグリオーマ細胞あるいはマウス皮下移植モデルのmTOR阻害薬に対する感受性が増強し、抗腫瘍効果が増強した。グルタミン代謝経路がmTORシグナルと共に悪性グリオーマの新たな治療ターゲットとなる可能性が示唆された。
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