研究課題/領域番号 |
26462182
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
黒住 和彦 岡山大学, 大学病院, 講師 (20509608)
|
研究分担者 |
安原 隆雄 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (50457214)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | Oncolytic virus / stem cell / antiangiogenesis / glioma / molecular targeted drug |
研究実績の概要 |
本研究は、まず腫瘍微小環境をターゲットとした分子標的薬と新規腫瘍溶解ウイルス(OV: 34.5ENVE)との併用による治療効果についての実験を行う。次に分子標的薬と新規OV治療との併用療法による相乗効果についてのメカニズムを調べ、OV の効果をさらに増強させる因子を探していく。過去に、我々はOV をより効果的な治療戦略とするため悪性グリオーマに対するOV を用いた腫瘍微小環境についての研究を行ってきた。この研究で我々が得た結果では、新規分子標的薬cRGD ペプタイド(Cilengitde)を用いて炎症を抑え、OV による抗腫瘍効果をより増強し、治療効果を高めることができた。さらに我々は抗血管新生作用を持つvasculostatin という蛋白を発現する新規OVであるRAMBO (for Rapid Antiangiogenesis Mediated By Oncolytic virus)を使用し、単独の治療効果、Cilengitide との併用効果を得ることができた。共同研究施設においてYoo らは新規OVである34.5ENVE (viral ICP34.5 Expressed by Nestin promotor andVstat120 Expressing)を作製した。Nestin promoterにてICP34.5がドライブされることにより増殖が促進される。また、同時に血管新生作用を持つvasculostatin を発現する。彼らはこのウイルスを用いてヒト脳腫瘍マウスモデルにおいて有意な治療効果を得た。現在、本研究のセットアップを行っているところである。併用にて使用するインテグリン阻害剤に関しては、bevacizumab誘導脳腫瘍浸潤性変化に対する浸潤抑制効果を示すことができた。今後、OVのセットアップを行う。さらに、新規OV34.5ENVE の効果について検証し、インテグリン阻害剤との併用効果について検討する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度はオンコリティックウイルスや薬剤について、本研究のセットアップを行った。新規OV34.5ENVEの効果について検証し、インテグリン阻害剤との併用効果について検討する、という目的であった。併用療法として使用するインテグリン阻害剤の追加データはでているものの、OV34.5ENVEのセットアップが遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
オンコリティックウイルスや薬剤について、本研究のセットアップを行う。具体的には、共同研究施設であるオハイオ州立大学のDr. Kaurと連携し、新規OV34.5ENVEを使用する準備を進めていく。 さらに当初の予定を行う。 ・さまざまな脳腫瘍モデル(幹細胞もモデルも含む)を用い、同様の効果がえられるか否かを検討する(担当、黒住、安原)。 ・アルキル化剤テモゾロミドや他の分子標的薬Bevacizumab との併用について検討する。さらには血管透過性の亢進を調べ、OV単独群とOV と薬剤との併用におけるウイルス力価の評価、ウイルス由来のgene 量または、mRNA 量を調べる(担当、黒住、安原、伊達)。
|