研究課題
今年度は、ソマトスタチン受容体の発現様式、gsp mutationの有無について検討をおこなった。ソマトスタチン受容体は1-5まで存在するが、免疫組織化学でその発現が確実性をもって確認できたのは2Aであった。このため、GH産生下垂体腺腫56例を対象に、gsp mutationの有無、ソマトスタチン受容体(SSTR 2A)の発現様式について検討を行った。SSTR 2A免疫組織化学はパラフィン切片を対象にGramsch Laboratoriesの抗SSTR 2Aポリクローナル抗体を用いて行った。gsp mutationの有無については、パラフィン切片より抽出したDNAをPCRで増幅し、codon201と227について塩基配列を決定した。SSTR 2Aの免疫組織化学では、細胞質優位に染色性を示した群が24例であり、細胞膜優位に染色性を示した群が32例であった。gsp mutationはcodon 201について21例(37.5%)に、codon 227について5例(8.9%)みられた。免疫組織化学での検討ではソマトスタチン受容体が細胞膜に認められる腺腫ほど有意にオクトレオチドでGHが低下しやすいことが示された。また、有意差を示しえなかったが、gsp mutationを有する腺腫ほどオクトレオチドでGHが低下しやすい傾向が示された。多変量解析の結果より、オクトレオチド負荷試験でのGHの低下に有意に関与するものは、ソマトスタチン受容体が細胞膜に認められる腺腫であることが明らかとなった。
2: おおむね順調に進展している
SSTR2Aについて細胞膜に発現するGH産生下垂体腺腫と細胞質に発現するGH産生下垂体腺腫の臨床的な違いが把握できた。
ソマトスタチン受容体の細胞内internalizationについて探求する
試薬の購入が少なくて済んだためである。
次年度は試薬などの購入が増える見込みである。
すべて 2014
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件)
Clin J Sport Med
巻: 24 ページ: 155-157
World J Surg Oncol
巻: 12 ページ: 123
Acta Histochem Cytochem
巻: 47 ページ: 103ー112
Acta Neurochir
巻: 156 ページ: 1923-1924
BMC Neurology
巻: 14 ページ: 150
Med Mol Morphol
巻: 47 ページ: 1-7
Neurol Med-Chir (Tokyo)
巻: 54 ページ: 966-973