てんかんの診療は、症状、脳波、画像診断によるが、経時的な症状の変化を客観的に捉えることは困難であり、その観察は患者や家族の訴えのみによるところが大きい。炎症性蛋白であるHMBG1がてんかん発作に関連する客観的な生化学的バイオマーカーとなる可能性について検討した。てんかん患者の血液中のHMBG1濃度を測定したところ、部分発作に関連した有意な変化は認められず、また髄液中の濃度は感度以下であった。一方、ラットてんかんモデルでは、発作後2日目に髄液中のHMBG1濃度の有意な上昇が認められた。この結果は、発作型や頻度によっては髄液中HMBG1がてんかん発作のバイオマーカーとなる可能性を示すものである。
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