研究課題/領域番号 |
26462209
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
近藤 聡彦 独立行政法人国立病院機構(静岡・てんかん神経医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (20721137)
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研究分担者 |
安原 隆雄 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (50457214)
亀田 雅博 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50586427)
上利 崇 岡山大学, 大学病院, 助教 (60423290)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | SCS / epilepsy |
研究実績の概要 |
下記内容でモデルラットを作成し、行動学的評価を行った。 1.SCS(脊髄刺激療法)のための電極留置・電気刺激:直径約2㎜の銀玉電極を作成。全身麻酔下にFischer F344ラットのC1の下半分とC2の椎弓切除を行い、脊髄硬膜表面を露出して、電極を硬膜表面に留置する。SCS群に対しては引き続き、翌日より1日1時間の脊髄刺激を1週間継続。刺激のパラメータについては2Hz、50Hz、200Hzでそれぞれ評価。 2.てんかんモデルの作成:SCS群あるいはコントロール群の腹腔内にカイニン酸9-12mg/kgを投与することで投与数時間後からてんかん発作が出現する。てんかん発作が遷延する場合には動物愛護の観点からジアゼパムの投与により、鎮痙を図る。体重減少が認められる場合には、補液を行って体重維持に努める。 3.行動学的評価:てんかんモデル作成後に、てんかん発作の重症度を判定。汎用されているRacine classificationをmodifyしたものを使用。 4.現在のところ、コントロール群では平均のseizure stageは4.4であるが、2HzのSCS群では2と有意差を持って、てんかんの抑制効果が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
所属機関の異動に伴い、研究に必要な機器や薬剤、物品の新規購入に費用や時間を要しているため。
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今後の研究の推進方策 |
現在検討できているのは刺激周波数2Hzのみで、この刺激群ではコントロール群に比べて有意差を持って、てんかん抑制効果があることが確認されているが、50Hz、200Hzではどのような効果があるかを確認することで、至適刺激頻度を模索する。またSCSの適切な刺激導入と継続時間を検討する必要がある。現在はSCSをてんかん誘発薬剤投与前に行っているが、投与後に導入した群についても検討する。また電気刺激誘発のてんかんモデルであるKindlingモデルにおいてもSCSの効果を検討する予定。SCSの抗てんかん作用については、行動学的には評価に加えて、組織学的評価も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に用いる脊髄刺激電極をメーカーに作成依頼すると非常に高額であるので、当該年度の後半は自作で電極を作成するようにした。その結果、予想よりもコストを抑えることに成功したため、その差額が次年度使用額として生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
自作の電極の材料費として使用する予定である。
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