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2014 年度 実施状況報告書

先天性正常圧水頭症の原因遺伝子の探索と水頭症の発現機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 26462218
研究機関順天堂大学

研究代表者

宮嶋 雅一  順天堂大学, 医学部, 准教授 (60200177)

研究分担者 松本 直通  横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80325638)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード家族性正常圧水頭症 / 原因遺伝子 / 線毛 / ダイニン
研究実績の概要

家族性正常圧水頭症のゲノムを解析し、病因となる遺伝子変異を同定し、正常圧水頭症の発症機序を分子レベルで解明することを目的として以下の実験を行った。
1) DNAH14の欠失の検証:家族性正常圧水頭症の3家系男性5例女性4例と正常対照5例を対象として、Cytoscan HD arrayによるcopy number variation (CNV)の探索を行った。データベースよりcommon variationを除外して、水頭症例にのみ認められるCN lossを1家系に1カ所同定した。この部位は1q42,12の位置で、遺伝子DNAH14をコードしている。次にCopy Number Assay法により、本家系の発症者と非発症者のDNAを用いて、同定されたDNAH14の欠失が発症者にのみ存在し、非発症者には存在しないことを検証した。更に本家系の発症者と非発症者のRNAを用いて、RT-PCR法によりDNAH14の血液での発現量を定量した。
その結果本家系の発症者にのみDNAH14の発現の低下を認めた。DNAH14がコードする蛋白はCiliaに存在するdyneinを構成する蛋白であり、Ciliaの機能障害がこの水頭症の原因として推定される。しかし、DNAH14のCN lossとこの型の水頭症との関連を証明するには、更なる解析が必要である。
2) DNAH14以外の遺伝子変異の探索:5家系及び弧発例を対象に次世代シークエンサーによる全エクソーム解析を行ったが、新たな候補遺伝子は現在まで同定できていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初めてヒトの正常圧水頭症の原因として、ciliaを構成する蛋白の遺伝子異常が確認された。

今後の研究の推進方策

1) DNAH14と水頭症との関連:ヒト脳組織内でのDNAH14の発現を特異抗体により免疫組織学的に同定する。上衣細胞及び脈絡叢上皮細胞での細胞内局在を免疫電顕にて同定する。更に、DNAH14のknock out マウスを作製し、水頭症の発現のメカニズムを解析する。
2) DNAH14以外の遺伝子変異の探索:新たな1家系を追加して、次世代シークエンサーによる全エクソーム解析を行い、DNAH14以外の家族性正常圧水頭症の原因となる新たな遺伝子変異を明らかにする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 先天性水頭症における発生病態の解析2014

    • 著者名/発表者名
      宮嶋雅一、下地一彰、新井一
    • 雑誌名

      小児外科

      巻: 46 ページ: 595-599

  • [学会発表] Congenital chronic communicating hydrocephalus with wide foramen of Magendie and dilatation of cistern magnum: clinical feature and congenital etiology2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroashi Kageyama, Masakazu Miyajima, et al.
    • 学会等名
      Hydrocephalus 2014
    • 発表場所
      Bristol
    • 年月日
      2014-09-07

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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