研究成果の概要:正常圧水頭症の臨床的特徴を示し、全脳室拡大、Magendie孔開大と大槽拡大の形態的特徴を有する水頭症を新たな病態PaVMとして提唱した。この病態の病因となる遺伝子変異を同定し、水頭症の発症機序を分子レベルで解明した。家族性PaVMと正常例を対象として、コピー数多型解析を行った。PaVMにのみ認められるコピー数欠失を1家系に1カ所同定した。この部位は1q42,12の位置で、軸糸ダイニン重鎖タンパク (DNAH14)をコードしている。DNAH14がコードする蛋白は線毛に存在するダイニン内腕を構成する蛋白であり、線毛の機能障害がこの水頭症の原因として推定される。
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