放射線壊死を克服するために、基礎および臨床研究を行った。基礎研究ではラットの大脳に安定して脳放射線壊死を発生させるモデルを確立することに成功した。65Gyの単回照射において照射後6ヶ月で放射線壊死の安定した形成を認めた。今後は、このモデルを用いて脳放射線壊死形成の鍵となる分子の同定にあたる。臨床研究では、放射線治療後髄膜腫に対するベバシズマブ治療により放射線壊死が抑制され、再発腫瘍の鑑別が可能となる所見を得た。さらに放射線壊死に対するベバシズマブの効果は6ヶ月持続することが判明した。また、既知の放射線壊死病理所見をまとめ、レビューを行った。
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