研究課題/領域番号 |
26462228
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
折田 純久 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60638310)
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研究分担者 |
高橋 和久 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20179477) [辞退]
山内 かづ代 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30648069)
大鳥 精司 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40361430)
久保田 剛 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (50725695) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 凍結乾燥多血小板血漿 / 骨癒合促進 |
研究実績の概要 |
昨年まで行ってきた凍結乾燥PRPの含有成長因子の測定と有効性の検討に加えて,平成27年度は長期保存した凍結乾燥PRPの骨癒合促進効果および骨強度を動物実験で評価した.具体的には8週齢のSDラット雄を60匹使用した.脊椎固定術モデルは,全身麻酔下にL4-6の両側横突起を展開し各移植材料を横突起間および椎弓上に移植する.移植材料で群分けし,sham群(展開のみ),自家骨群,人工骨単独群,人工骨+凍結乾燥PRP群,人工骨+BMP群(Bone Morphogenetic Protein)の5群とした.骨癒合は術後4週,8週で単純X線で脊椎外科医3名が評価した.また,術後8週で椎体を摘出し,HE染色での組織学的評価(骨形成量,骨梁)に加え,骨癒合部分を摘出し3点曲げ法で力学的評価を施行した(各群n=5).その結果,術後4週で人工骨単独群に比べ凍結乾燥PRP群では高い確率で骨癒合がみられた(50%v.s.80%).また,8週での骨形成量は人工骨単独群に比べ有意に多い結果であり,BMPとほぼ同等の結果であった.リモデリング部の骨梁形態の特徴として,自家骨群では太く分岐が少なく,凍結乾燥PRP群では骨梁が細く分岐が多い網目状であった.凍結乾燥PRP群の骨強度(112.0±15.6N)は人工骨単独群(103.7±30.1N)より有意に強く(p<0.05),自家骨群(116.7±10N)とは有意差はなかった.凍結乾燥PRPは新鮮PRP同様の骨癒合促進効果があり,強度評価でも良好な結果であった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
凍結乾燥PRPの使用効果について,組織学的検討を交えながら動物実験にて確認することを遂行することが可能であったため
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今後の研究の推進方策 |
凍結乾燥PRPの使用効果について,動物骨折モデルに応用し骨癒合促進効果を確認する.具体的にはラット大腿骨骨折モデルに対して凍結乾燥PRPを使用し4週後,8週後のレントゲン画像および組織画像,ELISAによる成長因子測定を行い,コントロールとなる自家骨や骨形成蛋白との比較検討を行いその有用性を検証する.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験および成果発表に関しての追加費用が生じたため
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次年度使用額の使用計画 |
動物実験・解析に関する委託や論文の英語校正などの成果発表に関する費用を中心に使用する.
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