研究課題/領域番号 |
26462235
|
研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
杉田 大輔 福井大学, 医学部附属病院, 助教 (90596678)
|
研究分担者 |
内田 研造 福井大学, 医学部, 准教授 (60273009)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | OPLL / ectopic ossification / Indian hedgehog / Sox9 / immunohistochemistry |
研究実績の概要 |
平成26年度の目標であったヒトOPLLの骨化PLL組織から得られた培養細胞を継代して培養細胞の転写因子発現を免疫組織化学的に検討する予定でした。これまでのところ、Ihh、Sox9、Runx2についてそれらを行った結果、OPLL由来の培養細胞ではIhh,SOx9,Runx2とも陽性を示し、コントロールのヒト頸椎椎間板ヘルニアから得た培養細胞では陽性細胞はほとんど見られませんでした。OPLLにおいて靭帯組織で転写因子の発現が亢進していることが示唆される結果となりました。PTHrPやBMP2などほかの転写因子についても今後検討予定です。また、得られた培養細胞にFlexer cellでstrainをかけてIhhやSox9、Rux2などのタンパク発現量の変化をウエスタンブロッティング法で半定量しての評価は行うことができました。Ihh、Sox9、Runx2ともsr\tran負荷後12時間以降で有意にタンパク発現量が亢進しており、コントロールの培養細胞群ではほとんど変化は見られませんでした。PTHrPやIhhの受容体であるGli2、Gli3についても同様の条件でstrainをかけて検討を行ったところ、PTHrPは24時間以降、Gli2、Gli3は12時間以降でタンパク発現量が増加していました。Ihhにはアンタゴニストの存在が知られており、今後はそのアンタゴニストとの共培養下でのタンパク発現量変化についても検討していきたいと考えています。 平成28年度の目標である得られた培養細胞はの伝子レベルでの発現変化の検討についてもマイクロアレイを用いて行う予定ですが、それについてもすでに行っており、現在はその得られた情報の解析を行っているところです。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の予定であった培養細胞を得て細胞のIhh、Sox9、Runxなどの転写因子発現の有無を免疫組織化学的に評価することは予定通り行えました。平成27年度以降の予定であった培養細胞のタンパク発現量に関するウエスタンブロッティング法を用いた半定量化や平成28年度の計画である培養細胞の遺伝子発現の変化に関するマイクロアレイを使用した検討も一部開始できており、研究の進度としては順調と考えます。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はタンパク発現量検討についてはアンタゴニスト共培養下での変化量検討を行う予定です。アンタゴニストとしてはシクロパミン、ビスモデギブが知られており、HHシグナリングのアンタゴニストとして悪性腫瘍の領域では一部の臨床試験もおこなわれています。これを使用して培養細胞と共存培養を行い、すでに調べたIhhなどの転写因子の活性の変化を検討する予定です。また平成28年度以降の予定である遺伝子的な検討としては現在すでにマイクロアレイの結果は得られておりそれの解析を行っていく予定です。解析結果から得られた遺伝子についてRT-PCRでの遺伝子発現量評価を行う予定です。 同じく平成28年度の予定であるtwy/twyマウスを用いた検討ではマウス骨髄抑制後のGFP移植の手技は獲得できており、今後も並行してすすめていく予定です。
|