研究課題/領域番号 |
26462241
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐原 亘 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (80706391)
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研究分担者 |
菅本 一臣 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (40294061)
山崎 隆治 埼玉工業大学, 工学部, 准教授 (40432546)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 三次元動態解析 / X線透視画像 / 3D CT画像 / 正常肩 / 異常肩 / 筋電図 |
研究実績の概要 |
目的:以前当研究室で開発した人工膝関節を対象とした三次元動態解析システムは人工関節のCADモデルをX線透視画像に重ね合わせ三次元位置を推定するものであった。今回は生体のあらゆる骨関節に適応できるようにするため、骨輪郭の抽出方法と奥行き誤差の補正方法を確立することを第一の目的とした。更に骨関節のみの動態解析ではなく同時に筋電図解析を行うことで筋活動を含めた三次元運動力学的動態解析ができるシステムを新たに構築することを第二の目的とした。 成果:骨輪郭の抽出方法については骨モデルの初期位置を手動で合わせることで不要な輪郭を削除できるシステムを開発した。これによりいかなる骨の重なりや筋電図のリード線のノイズを削除することで動態解析できるようになった。精度実験では鎖骨の測定誤差は0.3-1.6°、0.7-1.9mm, 肩甲骨は1.0-1.4°、0.7-1.2mm、上腕骨は0.7-1.1°、0.8-1.4mmであり、臨床的にも使用可能な精度であった。正常人を対象に外転位での回旋運動を解析し、回旋可動域が外転90度以上で小さくなるが最大外転位でも45度の回旋が可能であること、外転位での回旋運動は80%以上を肩甲上腕関節が占めること、各関節包靱帯の関節安定性へ寄与するメカニズムが明らかとなった。また屈曲、肩甲骨面挙上動作を解析し、挙上角度が165度以上と未満で比較すると肩甲骨の外旋運動が異なるという新たな知見を得た。臨床では腱板断裂の患者を対象に進めている。腱板広範囲断裂では断裂程度が同じであっても挙上可能な症例と不可能な症例が存在する。解析した症例がまだ少ないため明確なことは言えないが、その差は挙上初期に骨頭が上方変位するか否かが関与すると考えている。また筋電図の解析も進めていくことで挙上できないメカニズムとその治療方法について新たな知見が得られる。
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