研究課題/領域番号 |
26462242
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
陳 隆明 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員准教授 (20437495)
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研究分担者 |
本田 雄一郎 兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 特別研究員 (40568458)
大塚 彰 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (50280194)
中村 豪 兵庫県立福祉のまちづくり研究所, その他部局等, 特別研究員 (50707403)
黒坂 昌弘 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70170115)
芝軒 太郎 茨城大学, 工学部, 助教 (70711290)
辻 敏夫 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90179995)
秋末 敏宏 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (90379363)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 筋電位 / 筋電義手 / バーチャルリアリティ / トレーニング / 相互学習 / ニューラルネット |
研究実績の概要 |
本年度は、5指を独立して駆動可能な電動義手(以下、5指義手)を筋電位を用いて自在に操作できるようになるためのトレーニングシステムについて検討を行った。まず、切断者個々の操作能力に応じた訓練が可能なシステムを構築した[日本機械学会ロボティクス・メカトロニクス講演会2014]。提案システムでは、筋電位のパターン識別に確率ニューラルネットを用い、各動作の事後確率の相関から切断者が安定して筋電位パターンを発揮できる動作を選定して訓練可能である。また、人腕を模して開発したバーチャルハンド(virtual hand;以下、VH)を導入しており、切断者の動作イメージと義手動作の整合性を実現した訓練を実施できる。実験では、上肢切断者を含む10名の被験者を対象に提案システムを用いた訓練を実施した結果、識別率が有意に向上することを確認した。 次に、訓練システムの実用化を目指し、より現実に近い訓練が可能な新たな仮想トレーニングシステムを提案した[The Asian Prosthetic and Orthotic Scientific Meeting 2014 in conjunction with The Second Meeting of the International Society for Restorative Neurology (APOSM2014&ISRN)]。提案システムはヘッドマウントディスプレイを導入することによって、3D映像を表示して訓練を行うことを可能にした。さらに、訓練者の頭の動きに同期して仮想空間内の視点が変化する機能を実現した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1.5指を独立駆動可能なバーチャルハンドを導入することで切断者の動作イメージと義手動作の整合性を一致可能な訓練を実現するとともに、切断者が安定して筋電位パターンを発揮できる動作を選定して訓練可能な新たなトレーニングシステムを構築した点。 2.ヘッドマウントディスプレイおよび把持力に応じた物体の破壊や落下などの複雑な物理特性の導入によって、実用化を考慮したバーチャルトレーニングシステムを実現した点。
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今後の研究の推進方策 |
実験協力者や療法士(専門家)の意見を踏まえて本年度に開発したトレーニングシステムのブラッシュアップを図る。また、5指を独立駆動可能な義手の実用化を目指し、5指動作の作業状態をモデル化し、作業状態に応じて識別対象動作の確率を修正することによって識別の安定化を図る。そして、5指駆動型の筋電ハンドを試作し、提案する識別法を導入した筋電ハンドを実際に使用していただき、操作性の検証および操作性の向上を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
5指義手を自在に制御できるようになるための訓練システムにおいて当初予想し得なかった進展があり、本年度は十分な研究成果を得るために、訓練システムの構築から切断者を対象とした実験までを計画を早めて実施したため。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度に購入を予定していた5指義手の試作のために必要な物品の購入を行う予定である。
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