研究課題/領域番号 |
26462248
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
中川 幸洋 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20372865)
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研究分担者 |
筒井 俊二 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70423960)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 脊椎脊髄手術 / 術中運動機能モニタリング / 大脳刺激筋誘発電位 / 多連発刺激 |
研究実績の概要 |
脊椎脊髄手術時の運動機能モニタリングに用いている大脳刺激筋記録法における新しい刺激法、多連発刺激の有用性について、成ラットを用いて電位の記録を行った。プロポフォールによる全身麻酔下に連発(トレイン)刺激を異なる頻度で経頭蓋的に大脳運動野に適応し、下肢の下腿三頭筋より電位を記録した。刺激頻度1Hzに対する5Hz、10Hz、20Hz、50Hzにおける電位振幅の割合はそれぞれ1.16±1.36、1.22±1.78、0.71±0.77、0.37±0.41であった(n=9)。トレイン刺激をより高頻度に適応すると電位振幅が増大すると仮説を立てていたが、今回の結果は仮説と異なった。この理由としてはラットでは脊髄前角の運動神経細胞への入力がヒトとは異なり、錐体路ではなく網様体脊髄路が大きく関与していることも一因と考えられるが、実験開始当初は全身麻酔の安定性も欠如していたため個体差も大きく、今後は記録数を増やして、至適刺激条件について検討を進めていく予定にしている。また、高頻度電気刺激の安全性についても行動学的、組織学的に併せて検討していく予定にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度の研究計画に沿って、プロポフォールによる全身麻酔下に連発(トレイン)刺激を異なる頻度で経頭蓋的に大脳運動野に適応(多連発刺激)し、下肢の下腿三頭筋より電位を記録し、解析することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度で得られた結果は、より高頻度に刺激すると電位振幅が増大するという当初の仮説とは矛盾する結果であった。平成27年度はもう少しデータ数を増やし、高頻度のトレイン刺激が振幅増大効果を真に有するのか検討を進めていくとともに、高頻度電気刺激の安全性についても行動学的、組織学的に検討を勧めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
未購入機器があるため
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度の実験計画に沿って研究をすすめる。動物代・薬品代等に使用する予定である。また研究成果に応じて、学会等での研究成果発表に研究費を使用する予定である。
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