研究課題
【目的】平成27年度までの研究成果により傍脊柱筋加齢変性が高齢者の矢状面アライメント不良の重要な関連因子であることが判明した。PVM変性以外では骨粗鬆症性椎体骨折(VF)や椎間板変性(DD)が高齢者の姿勢不良や腰痛の原因となり得るが、その発症高位別の影響度合いについては不明の点が多い。平成28年度はこれまでに得られた成果をさらに発展させるべく、一般住民におけるVFとDDの影響を発症高位別に検討した。【方法】住民検診参加者794名(男性239名、女性555名、平均年齢63.6±13.1歳)を対象に立位単純X線側面像C7 Sagittal Vertical Axis (C7 SVA)、MRI上胸腰椎(T2-L4)の形態的VF(SQ法 Grade0-3)、腰椎DD(L1/2-L5/SのPfirrmann grade1-5)を評価した。姿勢不良(C7 SVA 50mm以上と定義)の有無または腰痛の有無を目的変数、胸腰椎の5区分(T2-4、T5-7、T8-10、T11-L1、L2-4)各々におけるSQ gradeまたは腰椎の5椎間板におけるPfirrmann gradeを説明変数、性・年齢・BMIを調整変数とする多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】姿勢不良は12%、腰痛は39%の参加者に見られた。姿勢不良に有意に関連するVF高位(区分)はT11-L1のみであり、区分内のgrade総和3以上(基準2以下)のオッズ比2.3であった。姿勢不良に有意に関連するDD高位はL5/Sのみであり、grade 5(基準4)のオッズ比2.6であった。腰痛に有意に関連するVF区分もT11-L1のみであり、grade総和2以上(基準1以下)のオッズ比1.6であった。腰痛に有意に関連するDD高位はL5/Sのみであり、grade 5(基準4)のオッズ比1.8であった。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)
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