研究課題
静脈血栓塞栓症(VTE)は、下肢の静脈に生じた静脈の血栓(深部静脈血栓症:DVT)が遊離して、血管内を塞ぐこと(肺血栓塞栓症:PTE)で死に至る連続した病態である。DVTはエコノミークラス症候群やロングフライト症候群などの名称で社会的に広く知られており、近年では中越沖地震(平成19年)、東日本大震災(平成23年)での震災時に被災地ででの避難場所による不動状態、それに続発する転倒や骨折、安静という血栓発生への悪循環も指摘されている。また、VTEは整形外科を始めとする外科領域においても緊急を要する重篤な合併症の一つである。一方、VTEの国内外のガイドラインは散見される。しかし、薬剤や器具を用いない理学的予防法による効果的な方法については科学的エビデンスが乏しく、高リスクに対して国内外のガイドラインでは携帯型間欠的空気圧迫装置を用いる方法しか推奨されていない。本研究では、これまで申請者らが行ってきた骨折患者におけるVTE発生と予防に関する調査検討に基づいて、下肢の不動姿位によるVTE発生問題を解決するために、薬剤や電源器具を用いない最適な深部静脈血流をより促進させる理学的予防法を開発し、臨床応用へと展開するための研究基盤を確立し、これにより、被災地も含めた薬剤や電源器具の用意ができない施設や病院へ最良のVTE予防法を提供するエビデンスを構築し、わが国全体でのVTE発生率の低下、さらに死亡率の低下の一端に寄与できる。最終年度では、年齢の違いによる「足関節自動運動の基盤となる等張性運動および等尺性運動による下肢深部静脈血流速度および血流量への影響の検討」の影響を検証した。足関節自動運動と変化様式の併用による適正タイミングの検索を行った。また、呼吸法や姿勢変化による下肢挙上などの他の静脈還流のメカニズムを効果的に組み合わせた最適な深部静脈血栓症の予防法の検索を行った。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 10件、 査読あり 10件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
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